高校受験/高校受験に向けた親の心得

わかる!受験生を持つ親のための心理学(3ページ目)

第二の誕生と言われる思春期。高校受験は、勉強面だけでなく、メンタル面でのサポートも大切。高校受験を心理学的に考察してみました。

伊藤 敏雄

伊藤 敏雄

学習・受験 ガイド

「勉強はやる気とやり方で決まる!」がキャッチフレーズの学習・教育アドバイザー。心理学や行動科学に基づいた効果的な勉強のやり方を、小学生から高校生までの全教科で指導。生徒の約9割が偏差値アップ。また、全国で5000人以上の高校生や保護者に、学習メソッドやモチベーションアップ講座などの講演活動を行ってきた。

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「母性」は包み込む優しさ、「父性」は突き放す優しさ

親の優しさには「父性的」「母性的」という二つの側面が考えられる
親の優しさには「父性的」「母性的」という2つの側面が考えられる
思春期と聞いて、思い出すことの1つに「反抗期」があります。子どもの「言うこと」「すること」に対して、つい小言を言ってしまいがちですが、それが「売り文句に買い文句」となってしまい、親子喧嘩になってしまうこともしばしば……。

「ライオンは、わが子を谷に落とす」とは、子育てでは有名なエピソード。これは、いわば子どもの自立を促す「父性(ふせい)的な優しさ」です。しかし、父性的な優しさは、行き過ぎてしまうと冷酷なものになってしまします。「わが子のために、これをやってあげないと心配」という心理は、「包み込む母性的な優しさ」です。しかし、度が過ぎると子どもには「おせっかい」と感じ、漠然とした束縛感や不満を感じるもの。

思春期の子を持つ親にとって、どちらも塩梅が難しいところです。

カウンセリングマインドという処方箋

カウンセリングマインドは、今では心理学の世界に限らず、学校では教師の子どもへの対応に、会社では新入社員の育成などにも応用されています。

カウンセリングマインドとは対話を重視し、共感的な理解を得るための心構え。共感的な理解は言葉も難しそうですが、実際に実行するのはもっと難しいものです。簡単に言えば、「あれ」「これ」言う前に、まず相手の気持ちを第1にしましょうということです。

例えば、子どもがテストで良くない点数をとって落ち込んでいる時に、

×「こんな点数とって、ちゃんと勉強したの?」
○「点数は良くなかったけど、頑張って勉強したよね」

と、結果(テストの点数)よりも過程(努力)を重視した言葉をかけてあげることが大切です。

誰だって、悪い点をとって良い気分はしませんね。子どもにとってみれば、「頑張って勉強したのに、こんな点しかとれなかった……」という悔しさを感じているかもしません。

こうした気持ちを汲み取ってやる「カウンセリングマインド」。受験生の精神面のサポートに生かしてみて下さい。



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