「母性」は包み込む優しさ、「父性」は突き放す優しさ
親の優しさには「父性的」「母性的」という2つの側面が考えられる |
「ライオンは、わが子を谷に落とす」とは、子育てでは有名なエピソード。これは、いわば子どもの自立を促す「父性(ふせい)的な優しさ」です。しかし、父性的な優しさは、行き過ぎてしまうと冷酷なものになってしまします。「わが子のために、これをやってあげないと心配」という心理は、「包み込む母性的な優しさ」です。しかし、度が過ぎると子どもには「おせっかい」と感じ、漠然とした束縛感や不満を感じるもの。
思春期の子を持つ親にとって、どちらも塩梅が難しいところです。
カウンセリングマインドという処方箋
カウンセリングマインドは、今では心理学の世界に限らず、学校では教師の子どもへの対応に、会社では新入社員の育成などにも応用されています。カウンセリングマインドとは対話を重視し、共感的な理解を得るための心構え。共感的な理解は言葉も難しそうですが、実際に実行するのはもっと難しいものです。簡単に言えば、「あれ」「これ」言う前に、まず相手の気持ちを第1にしましょうということです。
例えば、子どもがテストで良くない点数をとって落ち込んでいる時に、
×「こんな点数とって、ちゃんと勉強したの?」
○「点数は良くなかったけど、頑張って勉強したよね」
と、結果(テストの点数)よりも過程(努力)を重視した言葉をかけてあげることが大切です。
誰だって、悪い点をとって良い気分はしませんね。子どもにとってみれば、「頑張って勉強したのに、こんな点しかとれなかった……」という悔しさを感じているかもしません。
こうした気持ちを汲み取ってやる「カウンセリングマインド」。受験生の精神面のサポートに生かしてみて下さい。
<AllAbout関連記事>
・合格でも不合格でも、「その後」が大切
・合格のために「やってはいけないこと」
<思春期の子育てについてもっと知りたい!>
・木村慶子・高橋愛子 頭がいい親の13歳からの子育て (コスモトゥーワン)