【目次】
総合学科とは?普通科や職業学科との違い
総合学科は簡単に言ってしまえば、普通科と専門学科を足して2でわったようなもの。多様化する高校生のニーズに応えるためにつくられました。総合学科は、普通科、職業学科に並ぶ新たな学科として平成6年度から設置が始まり、その数は普通科3755校に対して375校(平成30年5月現在)にのぼります。授業は必修のものと選択のものがあり、授業のとり方に限ってみれば高校というよりは大学に近いと考えたほうが適切かもしれません。
文部科学省によると「総合学科は、幅広い選択科目の中から生徒が自分で科目を選択し学び、生徒の個性を生かした主体的な学習を重視すること」や「将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習を重視すること」を目標としています。
総合学科の特徴・特色:いろいろな授業が受けられる
総合学科のメリットには教科書に載っていないことが学べる点がありますが、自分でいろいろ調べたりしなければいけない大変なことも
- 学校必修科目:国語総合、数学I、コミュニケーション英語Iなど
- 原則履修科目:産業社会と人間、情報に関する基礎的科目、課題研究
- 総合選択科目:情報、福祉サービス、生活文化、環境科学、体育・健康など、生徒が自己の興味・関心、進路等に基づき選択して履修する科目
- 自由選択科目:学校において必要に応じ開設される科目
「国語総合」「世界史」「数学基礎」「英語I」などで、普通科、総合学科に限らず、高校で必修となっている科目です。
■原則履修科目
総合学科では必ず履修しなければいけない科目です。「産業社会と人間」など、職業選択を視野に入れた、将来の進路への自覚を深めさせるための科目です。
■総合選択科目・自由選択科目
総合学科の一番の特徴で、様々な分野の中から、生徒が自己の興味・関心、進路等に基づき選択して履修する科目です。例えば、「コンピュータグラフィック」「マーケティング」「フランス語」「ハングル入門」「会計実務」「デザイン史」「茶と華」など、普通科の高校では学べない興味深そうな科目ばかりです。
このように総合学科では、「数学」「社会科」だけでなく、自分の興味や進路にあった教科書には載っていない生きた知識も学べるのが特徴です。
総合学科のメリットは?大学進学へのデメリットは?
総合学科では、履修すべき授業の半分ほどが選択科目になります。好きな科目や興味のある科目をたくさん選択できる反面、実はいくつか問題点もあります。1つ目は、授業の時間割や定員の都合上、必ずしも履修したい科目を履修できない時があること。人気のある科目は希望者が多く、抽選という場合も……。
2つ目は、履修した科目が実は大変高度な内容で、授業についていけない場合があること。実際ガイドが相談を持ちかけられたケースで、「おもしろそうだからフランス語を選択したけど、授業の進み具合が速い上に全然わからないから困っている……」ということがありました。総合学科では教科書に載っていないことが学べる分、自分でいろいろ調べたり、努力しなければいけないなど、大変なこともあるようです。
3つ目は、履修できる科目が制限されるので、将来大学進学を視野に入れた場合、計画的に履修しないとあとで困ったことになるかもしれないこと。例えば、「3年生になって数学を選択しなかったけれど、実は志望する大学の入試では数学が必要だった!」というケースは、実際によくあります。
総合学科に合う生徒のタイプは?
普通科の高校に進学した子の中には、大学受験のための勉強に嫌気がさしてしまい、途中で大学進学をあきらめてしまう子も少なくありません。また、勉強があまり好きではなく、商業科などの専門学科の高校に進学してはみたけれど、やりたいことがずいぶん違った……という子もいます。子どもによっては高校受験の時ではなく、高校に入学してそこで初めて本当にやりたいことが見つかる子も。普通科向きでもなく、かといって専門(職業)学科向きでもないという子には、総合学科がオススメ。
様々なことから興味のあることを選べるからです。ご自身のお子さんの適性を見極めて、ぜひアドバイスしてあげてください。
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【関連リンク】
・総合学科について(文部科学省)