学力はもちろん、もう一つの何かを極める教育
■氷上信廣校長先生のお話(14:00~14:52)・麻布は「二兎追う教育」と強調(教室での学力とクラブ・サークルなどのもう一つの何かを極める教育を指す)
・自由な校風
・創立者 江原素六はキリスト教者で、儒教の教えにも精通。その江原素六の言葉に「青年即未来」(青年すなわち未来)がある。意味は青年たちを見れば、社会の未来も予測できるということ。だからこそ、中学高校の教育に尽力を注いだ
・麻布の校章は麻の葉をデザイン化したもの。麻は中国古代の思想家、荀子(じゅんし)の「蓬(よもぎ)も麻中に生ずれば、扶(たす)けずして直(なお)く、白沙(はくさ)も涅(つち)にあらば、これとともに黒し」という言葉通り(校歌2番にも引用されている)、自主・自立の校風と仲間を大切にしながら豊かな人間性を育むという学園の教育の理想を表している
・中2の英語は、22名ぐらいの分割授業を行っている。中1からネィティブの先生が週1時間を英語を担当する
・中3の1月中旬に提出するグループでの卒業論文(卒論)というものがあり、夏休み前からその卒論を仕上げるための行動を起こす(ちなみに高1が提出するものを修士論文という)。年に1回、刊行する「論集」にはそれぞれの秀逸な作品が掲載される
・麻布では芸術教科に力を入れていて、高校1年では音楽、美術、工芸、書道を必修選択科目とし、中1と高1では家庭科を必修としている
・多摩川にグラウンドがあり、中2が対象で週に一度、午後の2時間を使って体育の授業を行う。ソフトボールなどのチームスポーツが中心
・高1、高2を対象に土曜の2時(限)間を使用し、麻布独自の「教養総合」という授業を行う。約40のゼミを学年の枠にとらわれずに生徒が自由に選択することができるのが特徴。1つのゼミは、平均15名程度の生徒が参加するゼミ形式。校長自ら「考える」というテーマのゼミを担当している。最近では「2050年問題を考える」などをテーマにした。教員以外にも社会で活躍している卒業生、例えば、OBの弁護士が参加し、講座(ゼミ)も担当する。学期ごとに「教養総合」の授業を選択することができるのも、自主自立を重んじる麻布の考え
・職員室は出入り自由で「歩行者天国」(どっと会場の笑いあり)
・クラブ活動も活発で、チェスの全日本チャンピンの高2生が所属していたり、オセロ世界チャンピオンが顧問の先生だったりする。07年都大会に準優勝したサッカークラブなど、まさに「二兎追う教育」を実践している
・130席ある食堂ではカレーライスやラーメン、うどんが人気
・クラス旅行と称するものは中1、中2が中心で、任意のクラス単位(もちろん、担任の先生含む)で行う。クラスのある一定数が超えた時に学校から認可されて実行に移される
・通常、私服通学。標準服は黒麻の葉ボタンの詰襟で、入学式、卒業式などに着用する
とにかく、OBでもある氷上校長先生が元気でひょうきん、そして言葉が巧みで、それが学校説明会を盛り上げていました。
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