筑駒が求める生徒像
筑駒の無料配布の学校案内は今年8月に作成されたばかり。筑駒らしいこだわりの文章で熱いメッセージを訴求 |
校長先生は筑波大学の教授のため、副校長先生が実質の校長先生的存在。昭和50年(1975年)より私服通学で、自由闊達の校風。求める生徒像は「素直でやり遂げる力があり、生活習慣がきちんとついている子ども」とのこと。
授業料は必要となりませんが、教材費や施設設備の寄付など、公立中学校と比較して、費用は高くなります。
文化祭による人格薫陶
■学習について(13:20~13:50)週32コマ(学習指導要領[公立中]では通常28コマ)。隔週土曜日の午前中に4時間の授業を行います。授業時間は1校時、50分。
実技型の授業が多いのが特徴で、例えば理科の授業では、物理、化学、生物、地学の分野ごとに専門教員が担当し専門性を追求、その実験を通して生徒たちの興味力・関心力を高めます。教員の言葉では「毎日が生徒とのバトル(質問攻め)です」とのこと。生徒たちの興味力・関心力の高さが伺えるエピソードです。
農業学校附属だった遺産として「学校田」がすぐ近くにあり、中1では水田学習があります。単なる稲作について労作体験学習というだけではなく、米作りを通して、食糧や環境問題、稲作文化の歴史などを学びます。
年2回教育実習の場として筑波大学の学生を受け入れます。よって教育実習性と一緒に考えることができる生徒がほしいとのこと。また、「ドリルのような演習問題を行う授業は全く行いません」と断言していました。
■ビデオによる学校生活の紹介(13:50~13:55)
映像では特に印象的だったのは、音楽の先生が英語の発音やその意味にこだわって英語の詞を読んだり、生徒に読ませたり、理科の実験では、でんじろう先生風に生徒たちを驚かす化学反応の実験が行われていました。教師の専門力と「生徒とのバトル」を楽しもうとする心意気が伝わってきます。
■学校行事・課外活動等について(13:55~14:10)
今年度2008年は11月1日、2日、3日に行われる文化祭についての話がありました。例年、3日間で1万1千人以上の来場があるそう。筑駒の文化祭では各クラス展示はもちろん、各々の班、部活動で50ぐらいの出し物が出揃います。演劇、映画づくりなどの発表形式を用いますが、自分たちを表現する「文化とは何か」にこだわって表現しています。
文化祭開催日が世間では大学受験の追いこみ11月初旬にもかかわらず、高校3年生の約8割(筑駒調べ。学校案内17Pに記載)が積極推進し、実際には約1年かけて文化祭の企画自体を考えているクラス、班もあるとのこと。同様に8割が文化祭の人格形成への影響がある(筑駒調べ。同上)と感じています。
文化祭実行委員や通称デコ(出し物のこと。デコレーションの略)の責任者になると、さらに「責任感」「忍耐力」「計画性」「企画力」「創造力」「やり抜く力」などの能力がつくと高校3年生たちが実感。文化祭に来てくれた人たちに喜んでもらえたことや達成感、それによって自信がつくことなどが、学習に波及しているのではないでしょうか。
受験と学校行事の両立、永遠のテーマ。全てにこだわり、両立できる人間力が社会に巣立っても最も重要な力と痛感するので、文化祭などの行事を思いっきりこだわる筑駒の伝統ある校風が、生徒たちの人間力に磨きをかけているのでしょう。
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