スクールカラーは臙脂(えび茶色)。校章の両脇に垂れる稲がモチーフ
慶應義塾の附属中3校(普通部・中等部・湘南藤沢)研究」に引き続き、今回は都の西北、早稲田の系属中学である2校(早稲田中学校・早稲田実業学校中等部)を徹底比較研究します。

早稲田の附属中学 基本データ・教育の特徴

もともと早稲田実業学校中等部(以下、早実)は、早稲田中学校(以下、早稲田)と地下鉄「早稲田」駅付近で隣接していた男子校だったが、2001年4月に現在のキャンパス、国分寺に移転し、2002年4月に男女共学校として現在に至る。早実(高等部含む)の出身者としては、プロ野球の王貞治監督、作曲家の小室哲哉さん、早稲田(高校含む)出身としては、俳優の梅宮辰夫さん、アナウンサーの福沢朗さんなどが有名。

早稲田中学校(男子校)

■所在地:東京都新宿区馬場下町62

■創立年:1895(明治28)年

■中1生徒数:男子約300名/7クラス

■高校募集人数:高校では外部募集を行わない完全中高一貫校

■教育理念・校風:誠・個性・有為の人材の育成

■沿革:1895年に坪内逍遥・市島謙吉・金子馬治ら早稲田大学関係者と、大隈重信の尽力によって早稲田中学校として開校。当時早稲田大学は前身の東京専門学校であり、「早稲田」と称したのは早稲田中学校・高等学校が早いとのこと。一年制の高等予備学校が存在し、萩原朔太郎も在学。敗戦直後、早稲田大学の附属校とすべく生徒・保護者・若手の教職員らが運動を起こしたが、伝統と独立を重んじる理事会と教職員らによって鎮静化された。

学制改革を経て、付属・系属校の道を歩む早稲田大学高等学院(1920年に早稲田大学が高等予科を廃して当時の牛込区戸山町〔現在の早稲田大学戸山キャンパス〕に設置)および早稲田実業学校(1901年に当校と東京専門学校の有志教員により計画され、本校敷地内に建設)とは別の路線を歩むことに。

■教育の特徴:早稲田大学の優先入学が約50%、約50%が受験するので、基本的には進学校カリキュラムを編成。数学は高2までに教科書の全過程を終了。英語は中1(週5時間)・中2(週6時間)の授業のうち、1時間をネイティブスピーカーが受け持つ。中2・中3の国語では古典も扱う。

高2になると、文系コースと理系コースに分割。高3では選択科目を増やしてコースをさらに細かく分け、私立文系、数学文系、国立文系、国立理系、私立理系のコースに対応できるように設置している。夏休みには高3を対象とした夏期講習を6日間1クールとして、計4クール実施し、生徒が多くの講座の中から希望講座に応募できるようにしている。

早稲田実業学校中等部(共学校)

■所在地:東京都国分寺市本町1-2-1

■創立年:1901(明治34)年

■併設小学校からの入学者: 08年4月より、早実初等部生を受け入れ開始

■中1生徒数:男子152名 女子81名 合計233名/5クラス

■高校募集人数:120名(男子80名・女子40名)。推薦入試は男女60名。高1(高等部入学生)より混合クラス編成。

■教育理念・校風:1901(明治34)年、早稲田大学の前身である東京専門学校が大学としての基礎を確立したころ、早稲田大学の創立者である大隈重信の教育理念を実現し、その建学精神に基づいた中等教育をめざし、大隈重信周囲の関係者により設立された学校。

「豊かな個性と高い学力をもち、苦難にうち勝つたくましい精神力を兼ね備えた人物」を育成するために、校是として「去華就実」(華やかなものを去り、実に就く)を、また校訓として「三敬主義」(他を敬し、己を敬し、事物を敬す)を創立当初から掲げてきました。以来、実業界を中心に多彩な人材を世に送り出し、また大正期に入るとスポーツ活動の充実を図り、質実剛健の校風が確立されていきました。

2001年に創立100周年を迎え、それまで早稲田鶴巻町にあったキャンパスを国分寺に移転し、中学部の呼称を中等部に改称。さらに2002年4月からは、早稲田大学系列校では初めて中等部、高等部とも男女共学を実施。また初等部を開設するなど、早実第二世紀にふさわしいスクール・アイデンティティーの構築を目指し、学校改革に取り組んでいます。

■教育の特徴:早稲田大学の系属校としてのメリットをいかし、将来早稲田大学での発展的な学習に必要な基礎学力を身につけ、大学の中核となりうる調和のとれた人間教育を目標にカリキュラムを編成。例えば、中等部3年は「卒業研究レポート」に取り組む。自らテーマを決め、インタビュー取材を必須として自分なりの見解をまとめることを重視。高等部2年から生徒の志望進路に基づき、文系・理系のコース別クラス編成を行っている。

高等部3年は生徒の能力、適性、進路を考慮した選択制を導入し、1月より生徒それぞれの進路に即した「特別授業」を実施し、早稲田大学の教員による授業も開講。

次ページは早稲田の系属中2校(早稲田・早実)の「併設高校の進学実績について」徹底比較研究