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大自然が生み出した絶景! 高千穂峡・真名井の滝で涼を楽しむ【宮崎】

「天孫降臨」の舞台と言われる高千穂(宮崎県)に大自然の営みが長い歳月をかけて作り出した美しい渓谷、高千穂峡があります。柱状節理の渓谷と日本の滝100選にも選ばれた真名井の滝で涼しさを感じてみませんか?

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

古くから読み継がれる日本神話の中で、日本建国の神様が降り立つ「天孫降臨」というエピソードがあります。天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫であるニニギノミコトが三種の神器(鏡、勾玉、剣)を携えて5人の神様と共に天界から地上の高千穂と呼ばれる場所に降り立ちました。

高千穂の場所はどこかというと、霧島連峰の高千穂峰(鹿児島県)と日向(ひゅうが、ひむか)の国の高千穂(宮崎県)の2つの説があるのですが、どちらも神話にちなんだ史跡があり、訪れる人々を壮大な神話ロマンの世界に誘ってくれます。

今回は宮崎県の高千穂より、日本神話よりも遙か昔に大自然が作り出した美しい渓谷である高千穂峡をご紹介します。神秘的な雰囲気と涼しさを体感できる素敵な名所ですよ。
高千穂峡(3)/真名井の滝

美しい渓谷が続く高千穂峡(2022年7月撮影)

<目次>

大自然の営みが作り出した美しい渓谷、高千穂峡

高千穂峡(1)

「名勝・高千穂峡」の石碑(2022年7月撮影)

高千穂Googleマップ)は、宮崎県の北部に位置する山間の町。

天孫降臨の故事にちなんだ神話の故郷として、天岩戸神社や高千穂神社などの古刹があり、毎年たくさんの観光客が訪れます。

高千穂町の中心部から少し離れた所にあるのが高千穂峡Googleマップ)。九州山地を水源として日向灘に注ぐ五ヶ瀬川が作り出した美しい渓谷です。
 
高千穂峡(2)

五ヶ瀬川が阿蘇の溶岩を侵食することで柱状節理の渓谷ができあがりました(2022年7月撮影)

太古の昔、阿蘇山の火山活動でできた溶岩台地を、五ヶ瀬川が長い歳月をかけて削ったことで深い谷ができあがりました。その美しさから1934年(昭和9年)には、国の名勝・天然記念物に指定されています。

谷沿いに遊歩道が整備されているので、吸い込まれそうな緑色に輝く五ヶ瀬川の水と、荒々しい柱状節理の岩のコントラストを見下ろしながら散策することができますよ。
 

高千穂峡のハイライト、真名井の滝

貸しボートに乗って、真名井の滝へ迫る!

高千穂峡(9)/真名井の滝

ボートから見上げた真名井の滝(2022年7月撮影)

遊歩道から見るだけでも十分楽しめる高千穂峡ですが、ぜひ体験して欲しいのが貸しボート

高千穂峡付近は、川の流れがまるで湖のように穏やかなため、ゆっくりボートを漕いで川面から柱状節理の峡谷を見上げることができますし、真名井の滝へ接近することも可能です。
 
高千穂峡(6)

高千穂峡のボート乗り場。受付から乗り場までは石段を5分~10分ほど下ります(2022年7月撮影)

貸しボートの受付は御橋の先、第1御塩井駐車場の奥にあります。受付を済ませて順番が来たら乗り場に向かいますが、不規則な高さの石段を5分から10分ほどかけて下る必要がありますので、足元には注意して下さい。
 
高千穂峡(7)

ボートに乗って御橋をくぐり、真名井の滝へ(2022年7月撮影)

ボートの乗船時間は30分。ライフジャケットを着用後、ボートに乗り込んだらゆっくり御橋の方へ漕いでいきます。

御橋を見上げる位置まで来ると改めて渓谷の深さを実感することができますね。
 
高千穂峡(8)/真名井の滝とボート

ボートで高千穂峡の奥へ。真名井の滝に迫ります(2022年7月撮影)

御橋の下をくぐれば、右手に真名井の滝が見えてきます。滝の真下には行けませんので、遠巻きに滝を見る格好になりますが、ボートから間近に見上げる真名井の滝は涼感たっぷり。

マイナスイオンのシャワーを浴びながらいつまでも眺めていたい、そんな風景です。
 
高千穂峡(10)

ボートからは高千穂峡の柱状節理の岩を間近に見ることができます(2022年7月撮影)

さらに真名井の滝の先まで進むと高千穂峡ならではの柱状節理の岩を間近に見ることができます。大自然が生み出した絶景を堪能してください。
 

貸しボートに乗るには(原則として)事前予約が必要

高千穂峡(11)/真名井の滝

ボートから真名井の滝と御橋を望む。
ボートに乗りたい場合は原則としてインターネットでの事前予約が必要です(2022年7月撮影)

貸しボートに乗りたい場合は、乗船前の1週間前午前9時~2日前の午前9時までの期間中にインターネットからの事前予約が必要です。電話予約やメールでの予約はできません。

予約はボート1艇単位(1艇の定員3名)、料金は1艇あたり4100円(混雑期以外の火曜~木曜)または5100円(金曜~月曜と混雑期の全日)です。

予約に余裕があれば当日現地の受付に行って乗船することは可能ですが、先着順のため待ち時間が発生することと満席になった時点で受付終了となります。

また安全点検の実施やイベント開催時は営業休止となりますし、お天気が良くても大雨の後などの増水時であれば営業休止になることがあります。事前に予約状況と営業状況をWebサイトで確認することをおすすめします。
 

高千穂に連泊。観光夜神楽鑑賞と貸しボート乗船がおすすめ

高千穂神社・観光夜神楽

高千穂神社で毎晩開催される観光夜神楽(2022年7月撮影)

高千穂峡を筆頭にして、天岩戸神社や東洋一の高さを誇る高千穂鉄橋を渡る高千穂あまてらす鉄道など、高千穂には見どころが盛りだくさん。高千穂へ旅する時はぜひ高千穂で宿泊するといいでしょう。

宿泊を進める理由の一つは、高千穂神社で毎晩20時に行われる観光夜神楽(有料拝観)。こちらもインターネット予約と当日受付による人数制限はありますが、重要無形民俗文化財である高千穂の夜神楽をじっくりと楽しむことができます。

もう一つの理由は、高千穂峡の貸しボート。当日受付は申込み時間が遅くなればなるほど待ち時間が延びる傾向がありますので、高千穂に宿泊して営業開始(8時半~)から早めの時間に受付へ行って貸しボートを申し込めば短い待ち時間で乗船することが可能になります。行程を一工夫することで貴重な旅の時間を有効活用できますよ。
 


美しい渓谷と涼感あふれる滝の眺めが楽しめる高千穂峡をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。日本神話の舞台で、大自然の営みにより生まれた素晴らしい風景を味わいに、高千穂まで出かけてみてください。
 

高千穂峡へのアクセス

地図:Googleマップ

アクセス:
<飛行機>

・阿蘇くまもと空港から
九州産交バス・宮崎交通バス共同運行の「たかちほ号」に乗車し、高千穂バスセンター下車(約2時間10分~2時間30分)。1日1~2往復運行。

高千穂バスセンターから高千穂峡へは、国道218号線の旧道を高千穂神社方面へ歩いて約20分。
高千穂峡へ向かう時は急坂を下り、帰りは急坂を上りますので時間に余裕を持った方が良いでしょう。
・宮崎ブーゲンビリア空港から
宮崎ブーゲンビリア空港

高千穂へのアクセスの入口の一つ、宮崎ブーゲンビリア空港

空港に隣接する宮崎空港駅からJR九州 宮崎空港線・日豊線で延岡へ。延岡駅からは宮崎交通バス 高速バス「ごかせ号」または九州産交バス・宮崎交通バス共同運行「たかちほ号」(約1時間10分)、または宮崎交通バス 路線バス(約1時間20分~1時間40分)で高千穂バスセンター下車。

また期間限定で、宮崎駅から高千穂まで宮崎交通バス 高速バスが運行(約2時間30分)することがあります。
 

<鉄道>
JR九州 特急「にちりん」

高千穂への入口、延岡へのアクセスとなるJR九州 特急「にちりん」

山陽新幹線 小倉より日豊線特急「ソニック」で大分へ。大分から特急「にちりん」に乗り換えて延岡駅下車。小倉から延岡まで直通する特急「にちりん」「にちりんシーガイア」も利用できます。

延岡駅からは宮崎交通バス 高速バス「ごかせ号」または九州産交バス・宮崎交通バス共同運行「たかちほ号」(約1時間10分)、または宮崎交通バス 路線バス(約1時間20分~1時間40分)で高千穂バスセンター下車。
 

<車>
高千穂峡への道案内

高千穂峡への道案内
・(右上)国道218号線から高千穂峡への案内に従います

・(左下)高千穂神社の鳥居がある交差点を右折

・(右下)高千穂峡への入口を左折して坂を下ります

・阿蘇くまもと空港から
熊本県道28号線 俵山トンネル経由で高森方面へ進み、国道265号線から国道325号線経由で高千穂町内へ。国道218号線に入った後は、案内に従って高千穂峡へ進む。
・宮崎ブーゲンビリア空港から
国道220号線で宮崎インターチェンジへ進み、宮崎道経由で東九州道へ。延岡ジャンクションより九州中央道と国道218号線で高千穂町へ入る。高千穂峡へは道案内に従います。
※高千穂への距離は、宮崎ブーゲンビリア空港より阿蘇くまもと空港からの方が近いです。
高千穂峡へ下りる道は急坂と急カーブが続くため、運転には注意して下さい。
・駐車場
高千穂峡の貸しボート受付所の前に第1御塩井駐車場(有料)がありますが、収容台数は多くなく混雑期は入場待ち時間が長くなります。その他、高千穂大橋を渡った先に第3大橋駐車場(無料)、第2あららぎ駐車場(有料)があります。大型連休等の最混雑期は町内の郊外に2つの臨時駐車場が設けられ、シャトルバスでのアクセスとなる場合がありますので、高千穂町観光協会のWebサイトで確認して下さい。

 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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