今回の行き先は、【愛媛】 木蝋の香り残る白壁の町並み、内子 |
ろうそくの材料となる蝋(ろう)のうち、櫨(ハゼ)の木から作る木蝋は、主に九州各県と四国の愛媛県で作られたとのこと。
特に愛媛県の内子(うちこ)では、木蝋の生産・取引で町全体が賑わい、白壁の商家が連なる独特の町並みが築かれました。江戸時代から続くこの町並みは、時を越えて現代にまで残り、訪れる人々に懐かしい気持ちを呼び起こしてくれます。
今回は、そんな古い町並みをのんびり歩くことが出来る内子をご紹介します。歌舞伎、文楽も上演される木造の劇場にも注目ですよ。
江戸時代の商家が連なる内子の町並み
商家の連なる内子・八日市護国の町並み。江戸時代にタイムスリップしたような感覚に陥ります(2004年7月撮影) |
鍵曲もある八日市護国の町並み。国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。 |
この町並みは「八日市護国の町並み」として、1982年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、現代に至るまで大事に保存されています。
町並みの保存運動の詳細については、八日市護国の町並みの一番奥にある八日市・護国町並み保存センターで知ることができます。
県道沿いにある「商いと暮らし博物館」。大正時代の薬屋の雰囲気を再現しています。 |
それから、JR内子駅から八日市護国の町並みにつながる県道沿いにも、今は飲食店として使われている下芳我邸などの古い建物が残ります。
特筆すべきは「商いと暮らし博物館(内子町歴史民族資料館)」。 大正時代の薬屋の雰囲気を再現しているとのことで、道路から店先をのぞいてみると帳場に座る人形がいい雰囲気を醸しだしていますよ。
歌舞伎も行われる木造の芝居小屋、内子座
商いと暮らし博物館の近くには、内子で最も知名度の高い観光スポット、内子座があります。大正時代、地元雄志により作られた木造の芝居小屋、内子座。今でも現役で歌舞伎や文楽の公演が行われます。 |
木造2階建てで長い間、歌舞伎公演や映画の上映等に使われていましたが、老朽化が進んだことで一度は壊されることが検討されました。しかし地元の強い要望で残すことが決まり、1985年に復原作業が完成、その後も改修を重ねて今に至ります。
現在では、歌舞伎や文楽の公演やイベントなどに使われていて、昔と同じようにたくさんの人に親しまれています。
公演やイベントなどが予定されていない時は、内子座の中を見学(有料)することが可能。1階と2階の観客席のみならず、舞台下の奈落まで見学することができます。芝居小屋を見学する機会というのは意外にありませんので、内子座を訪れた時は、ぜひ見学してみることをお勧めします。
木蝋の香りが残る古い白壁の町並みを楽しめる内子のご紹介、いかがでしたか?内子の近くには大凧揚げで知られる五十崎(いかざき)や、内子と同じく古い町並みが残る大洲などたくさんの見所があります。冬でも温暖な気候が続く愛媛にて、のんびりと古い町並みを歩いてみて下さい。
内子へのアプローチ
<飛行機>
松山空港より松山市駅、道後温泉方面行きの伊予鉄バスでJR松山駅前バス停にて下車。松山よりJR四国 予讃線で内子駅下車。
または八幡浜行きの伊予鉄南予バス(予約制)で内子営業所バス停下車。1日3往復。
<JR>
山陽新幹線 岡山より、特急「しおかぜ」で松山乗り替え、予讃線で内子駅下車。宇和島へ直通する特急「しおかぜ」では乗り替えなしで内子まで行けます。
<高速バス>
東京駅からJR四国バス、JRバス関東が共同運行する「ドリーム高松・松山号」、または新宿駅から伊予鉄バス、多摩バスが共同運行する「オレンジライナーえひめ」で松山へ。
松山から先はJR四国 予讃線で内子へ。
松山自動車道 内子五十崎インターチェンジより、内子町内へ。
内子町内子分庁舎や、八日市護国の町並みの奥に駐車場があります。
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