今回は吊り橋を渡る時の独特のスリルと共に渓谷美と日本の滝百選に選ばれた滝を眺めることができる九重"夢"大吊橋をご紹介します。
2つの日本一の称号を持って開業した九重"夢"大吊橋
九重"夢"大吊橋(Yahoo! 地図情報)は、大分県中部の山間、九重(ここのえ)町にある歩行者専用の吊り橋です。筑後川水系の鳴子川が長い年月の間に刻んだ大きな谷、九酔渓(きゅうすいけい)に架かり、九重町の中村地区と北方地区を結んでいます。 2006年秋に完成した九重"夢"大吊橋は、歩行者専用の吊り橋として2つの日本一の称号を持つことになりました。1つめは川面からの高さ。以前は宮崎県 綾町の「照葉(てるは)大吊橋」が日本一(142メートル)でしたが、九重"夢"大吊橋の高さは173メートルで堂々の日本一。東京タワーの大展望台(145メートル)よりも高く、およそ40階建ての高層ビルがすっぽり橋の下に入ってしまう高さです。
2つめは橋の長さ。以前は茨城県 常陸太田市(旧 水府村)の「竜神大吊橋」が日本一(375メートル)でしたが、九重"夢"大吊橋の長さは390メートルで日本一に。2015年冬に開業した静岡県三島市の「三島スカイウォーク」(400メートル)に日本一の座は譲ったものの、16両編成の東海道・山陽新幹線「のぞみ」(400メートル)とほぼ同じ長さがあることを考えると、かなり長い吊り橋だというのがイメージできると思います。
ドキドキしながら渡る夢の吊り橋
それでは、九重"夢"大吊橋を実際に渡ってみることにしましょう。九重"夢"大吊橋は、大きな駐車場が用意されている中村エリアと、対岸の北方エリアのどちらからも渡ることが可能で、入場料を1回払うと吊り橋を1往復することができる仕組みです。
標高777メートルの山間にかかる吊り橋なので、気象状況が悪い(風が強い、悪天候など)の時は安全確保のため渡れないことがあります。また事故を未然に防ぐために日傘と雨傘は橋の上では使えません。 足下の一部が格子状に加工されている所があるのでハイヒールなどは避けて、スポーツシューズを履いた方が無難ですね。混雑期には橋を渡っている人数を抑えるために入場制限をかけることもあるとのことです。
人が歩く幅は1.5メートルありますので、狭いという感覚はなく、向こうから歩いてくる人とも余裕を持ってすれ違うことができます。
ガイドが実際に歩いてみた感覚ですが、吊り橋の端の方はそれなりに揺れたのものの、真ん中あたりまで来るとほとんど揺れを感じませんでした。ただ、日本一の高さがある橋ですから、川面をのぞこうと下を見てしまうと目がくらみそうになります。高いところが苦手な人は下のことを意識しない方が良いでしょう。
いよいよ、橋から眺める素晴らしい絶景とご対面です。次ページに続きます。