大阪産業観光ツアー第5弾!
大阪・天満「まほうびん記念館」へ!
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大阪・天満にある象印マホービン株式会社の本社屋。この中に「まほうびん記念館」があります。おなじみの「象のマーク」が目印です。 |
大阪商工会議所主催「大人にも社会見学のときめきを!大阪産業観光ツアー」の第5弾で「まほうびん記念館」にいってきました。ものづくりの町・大阪には、パナソニック(松下)、シャープ、三洋電機、船井電機、ダイキン工業など、世界的に有名な生活家電メーカーが数多く集積していますが、じつは日本ではじめて魔法瓶を生産しはじめたのも大阪でした。それではさっそくレポートをどうぞ!
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本社に入ると、さっそくお出迎えしてくれる象印のマスコットキャラクター「ぞうさん」。子供たちに大人気とか。 |
まほうびん記念館は、大阪市営地下鉄「南森町駅」またはJR東西線「大阪天満宮駅」より徒歩約10分ほどの位置で、大阪が世界に誇る家電総合メーカーの「象印マホービン株式会社」の本社ビル内(大阪市北区天満1-20-5)にあります。
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デュワー瓶のレプリカです。デュワーはこのほかにもコルダイト火薬(無煙火薬)なども発明しています。 |
さっそく館内に入ると登場するのが「デュワー瓶」のレプリカで、これは1892年にイギリスの科学者ジェームス・デュワーが発明したものです。容器を内壁と外壁の二重構造にして、そのあいだを真空にすれば熱伝導が遮断できるというもので、これが魔法瓶の原型になりました。
1904年にドイツのテルモス社が商品化に成功すると、1908年(明治41年)頃には日本に輸入されて、1912年には大阪の日本電球の八木亭二郎氏が国産品第1号の魔法瓶を発明しました。当初は「寒暖瓶」というようなネーミングで販売されていたようですが、「いつまでも飲み物の温度が保たれる魔法のような瓶」と持てはやされて、いつしか「まほうびん」というのが一般的な名称となったようです。
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大阪の事務用品製造メーカー「イトーキ」の広告です。芸妓さんが魔法瓶でお茶を入れています。 |
「なぜ大阪が魔法瓶の発祥地、一大生産地になりえたのか?」というと、大正~昭和初期にかけては、大阪が日本のガラス産業をリードする地域だったからで、優秀なガラス職人が大阪天満宮あたり(大阪天満宮に「ガラス発祥の地」という石碑があります)に集住していました。魔法瓶の中ビンを製造するには熟練かつ腕のいいガラス職人が必要で、そこから必然的に大阪が日本のまほうびん工業の中心地となったわけです。象印マホービンの前身である「市川兄弟商会」もそうしたメーカーの1つで、1918年(大正7年)に創業しました。