300年以上の歴史と伝統を誇る「岸和田だんじり祭」
「だんじりを初めて見る」という方に鑑賞スポットをご紹介!

岸和田だんじり祭の見せ所「駅前パレード」での「やりまわし」です。重さ4トンを越えるだんじりがトップスピードのままに方向転換します。

大阪の秋の祭りといえば、泉州・岸和田がもっとも熱くなる「岸和田だんじり祭」です。全国的にも有名なこの祭り、名前は聞いたことがあるが実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか?


中北町昇魂式の際のガイドです。「昇魂式」というのはだんじりに宿った神さまの魂をお返しするという重要な儀式です。大迫力のだんじり祭ですが、決して荒々しいだけのイベントではなく、厳粛かつ神聖なる神事ということもお忘れなく。

ここで唐突に昔話を持ち出して恐縮ですが、実はガイドは数年前に、とある仕事で岸和田だんじり祭の完全密着取材を行ったことがあります。法被にねじり鉢巻、股引に足袋を履いて、朝から晩までだんじりと並走しながら祭の光景をカメラに収める……という実にハードな取材でしたが、なかなか得がたい貴重な体験を数多くさせていただきました。個人的にも思い入れのある祭りなのですが、これだけの認知度に関わらず、意外と知られていないのがだんじりの鑑賞スポット。


例えば京都・祇園祭の山鉾は見事なタペストリーの数々が見物ですが、だんじりは彫り物が華! 「太平記」「平家物語」「難波戦記」といった戦記ものを題材とした彫刻の美しさ、素晴らしさは、文句なしにアート、芸術の域に達しています。

「岸和田に行けばだんじりが走っているだろう」という安易な考えでおでかけして、駅についた途端にあまりの観客の多さに身動きがとれず、「いざだんじりが見えた!」と思ったらあっというまに猛スピードで走り去っていき、またギャラリーの大混雑に巻き込まれ、結局、ただ漫然と岸和田市内を歩き回って1日が終わってしまった……という方は決して少なくありません。


「宮入」の舞台となる岸和田城(岸城神社)です。大阪府下でも有数の城下町・岸和田は祭の舞台装置としては最高のロケーションといえるでしょう。

そこで今回のガイド記事では「岸和田だんじり祭を初めて見に行く」といった岸和田だんじり祭の初心者のために、だんじり祭の主要な鑑賞スポットをご紹介しましょう。300年以上の歴史と伝統を誇る岸和田だんじり祭。その素晴らしさと美に、ぜひ1度は触れてみてください。それではさっそくガイド記事をどうぞ。

全22台のだんじりが一挙に集合!「駅前パレード」は必見です

岸和田だんじり祭は宵宮(2017年9月16日午前6時~午後10時)と本宮(2017年9月17日午前9時~午後10時)の2日間に渡って開催されます。その期間中は岸和田市内界隈を22台の岸和田だんじりが所狭しと走り回ってますが、「全だんじりを見よう!」と思うと、それこそ岸和田市中を走り回らないと不可能でしょう。しかし実は岸和田だんじり祭には全22台のだんじりが一堂に会するイベントがあって、それが9月16日宵宮の午後1時から開催される「駅前パレード」です。


商店街を飛び出して「やりまわし」をするだんじりです。「駅前パレード」では「やりまわし」の前には花火や鳴り物のパフォーミングなどもあります。いかにも「お祭り!」といった雰囲気に包まれる瞬間といえます。
この「駅前」というのは南海本線の岸和田駅のことですが(JR阪和線の東岸和田駅とは違うので要注意)、岸和田駅前通商店街から勢いよくだんじりが飛び出してきて、次から次へと見事な「やりまわし」(トップスピードのままにだんじりを方向転換させることで、美しく見事なやりまわしを決めることが、祭りの醍醐味であり華とされています)を披露してくれます。岸和田だんじり祭の最大の見せ場といえますが、駅前で開催されるのでアクセスが良好なのもポイントで、初心者でも大いに愉しめます。


例年60万人以上の観客動員を誇るという岸和田だんじり祭。とくに「駅前パレード」の場所取りには苦労しますが、それだけの価値はあります。

ただ「アクセスも簡単で良好な上に、全22台のだんじりのやりまわしを一挙に見れる」となると岸和田だんじり祭の中でも屈指の人気を誇る鑑賞スポットで、すさまじい観客の数と大混雑が予想されます。できることなら現場には数時間前には到着して場所取りしたほうが良いでしょう。駅前パレードで全だんじりのやりまわしをじっくりと堪能してからは、岸和田市内をいろいろと歩きながら祭を楽しむ……というのがガイドのオススメの岸和田だんじり祭の鑑賞スケジュールです。


台風、暴風雨でも大丈夫!日本一高いアーケード
「岸和田駅前通商店街」での鑑賞もオススメです

「日本一アーケードが長い商店街」といえば大阪市の「天神橋筋商店街」ですが、「日本一アーケードが高い商店街」といえば「岸和田駅前通商店街」! もちろん商店街ですので喫茶や食事もありますし「だんじりグッズ」なども販売している店もあるのでお土産のさいにも要チェックです。
岸和田だんじり祭は毎年9月中旬に開催されますが、季節柄、台風シーズンで、激しい暴風雨の中をだんじりが走り回る……といった場合も少なくありません(ちなみに岸和田だんじり祭は雨天決行です)。鑑賞するには悪条件といえますが、そういった場合には「日本一高い天井のアーケード」と評判の岸和田駅前通商店街を利用しましょう。

「なぜアーケードが高いのか?」というと「だんじりを通すため」に設計されたからなのですが、この商店街の中なら、傘も不要で、雨にも濡れずに快適に岸和田だんじり祭を存分に鑑賞できます。またアーケードは音がこもって反響するので、だんじりの掛け声や鳴り物が鳴り響いて、より迫力が増す……という意外な音響効果もあります。直線を走り抜けるだけで「やりまわし」は見れませんが、岸和田駅にむかって全力疾走で駆け上がっていくだんじりは身震いするほどカッコイイですよ!

さて、次は本宮の鑑賞スポットをご紹介しましょう。次ページをどうぞ。