ローマ法王が里帰り、リニア事故が起きた9月
・ローマ法王ベネディクト16世が生まれ故郷のバイエルン州を訪問。ミュンヘンでは市街地の交通が全面規制され、法王を一目見ようと多くの人が沿道に押し寄せました。ミサには25万人が参加。その後法王はレーゲンスブルクや出生地のマルクトル・アム・インなどを訪れ、6日間の里帰りを終えました。この間メディアは法王の話題で持ちきり。特集番組が組まれ、W杯以来の盛り上がりを見せていました。・ドイツが開発したリニアモーターカー「Transrapid(トランスラピッド)」が、ニーダーザクセン州のラーテンで試運転中、作業車両と衝突し、23人が死亡するという事故が起きました。ミュンヘンでは、中央駅から空港まで10分で行けるというトランスラピッドが計画されています(現在はSバーンで45分)。しかし安全面の課題と莫大な費用の問題で、この計画が続行されるかは不透明な状態です。
シューマッハが引退した10月
・F1ドライバーのミヒャエル・シューマッハが引退。数々の記録を塗り替えてきたシューマッハの引退レースは、多くの注目を集めました。ちなみにドイツでは「Schumi(シューミー)」の愛称で呼ばれています。・サッカーW杯開幕前から大会終了までドイツ代表を追ったドキュメンタリー映画、その名も「Deutschland. Ein Sommermärchen(ドイツ。ひと夏のメルヘン)」が映画館で上映。約4百万人を動員し、ドキュメンタリー映画として大成功を収めました。こちらのサイトで映画のトレイラーが見られます。
24時間営業スタート、銃乱射事件が起きた11月
・ベルリン州とノルトライン・ヴェストファーレン州では、「閉店法(平日は6~20時まで営業可、日曜は完全休業)」が大幅に緩和され、平日の24時間営業が許可されることに。詳しくはガイド記事「ドイツでもついに24時間営業を許可」をご参照ください。・ドイツ北西部の町Emsdetten(エムスデッテン)の学校で、銃乱射事件が起きました。犯人は元生徒で、その場にいた11人が負傷、本人は自殺。犯人はコンピュータで暴力的なゲームに没頭していたとのこと。国内では、殺人ゲームの禁止をめぐる論争が巻き起こっています。
雪不足、禁煙法がまた一歩遠のいた12月
暖冬でクリスマス市のグリューワインの売れ行きもいま一つだったそう |
・12月6日のニコラウスの日には、W杯ドイツ代表のドキュメンタリー映画「Deutschland. Ein Sommermärchen(ドイツ。ひと夏のメルヘン)」がテレビ放送されました。視聴者は何と1,100万人! みんながあの夏の素晴らしい思い出に浸ったひと時でした。
・長期にわたり議論され続けてきた禁煙法がようやく成立するかのように見えた矢先、全てはまた振り出しに戻ってしまいました。この禁煙法は、公共施設やレストランでの喫煙を禁止するもの。しかし各州が自治権を持つドイツでは、「飲食店法」は州の管轄です。連邦(国)の管轄として準備が進められてきた「禁煙法」では、飲食店に喫煙を禁じることはできないということが、ずいぶん後になってから発覚したのでした。「今までしてきた議論は一体何だったんだ」というオチでしたが、この先どうなるのでしょうか? ちょっとややこしくなりそうな予感です。
ドイツの2006年、いかがでしたか? やはり今年は何と言っても、W杯の年!でした。こんなにポジティブでエネルギッシュな空気に包まれるというのは、後にも先にもきっと一度きりのことでしょう。
2007年は、年明けからすぐに大きな変化が待っています。それは消費税の値上げ。現在の16%から19%に上がります。全然うれしくない出来事でスタートしますが、2007年もドイツのいろいろな顔をお伝えしていきたいと思います。どうぞお楽しみに!