ビールは「飲むパン」
修道院が設立した醸造所が今でも多く残っていて、ビールのラベルには修道士の絵がよく描かれている |
毎年春にある「復活祭」前の40日間は断食を行う期間で、特にこの間はどのように栄養を摂取するか、ということが非常に重要な課題でした。そこで、“断食とは食べることを禁じているのであって、液体状のものを口にする行為は断食を破ることにはならない”という見解で、修道士たちは麦からできた液体=ビールをせっせと飲んでいたといいます。これで断食期間も、同じく麦からできているパンを食べるように、栄養をとることができたという訳ですね。
「強いビール」の一種。麦芽の味が強めで濃厚な味 (c)Bayerischer Brauerbund e. V. |
この断食のときに強いビールを飲むという習慣は、バイエルン地方に今でもしっかり残っています。毎年3月には「強いビールの季節(Starkbierzeit)」として、各ビアホール、ドイツ料理レストランでアルコール度数の高い特別ビールを飲むことができます。
次のページは、ビールの値上げに対して非常に敏感で厳しいドイツ人についてのお話。妥協を許さないドイツ人、すごいです!