ドイツ/ハンブルクと北ドイツ

リューベック(1) 水に囲まれた北の古都

旧市街全体が世界遺産に指定されているリューベックは、中世の時代から商業が発展し栄えた北ドイツの古都。今も残る古いレンガ造りの建物、石畳の坂道。情緒あふれる素敵な町です。

執筆者:カルカ 麻美

リューベックは、北ドイツのバルト海に面した情緒あふれる古い町。13~16世紀にかけて、ハンザ同盟(バルト海・北海沿岸の都市を中心に結ばれた商業同盟)の盟主として実権を握り、「ハンザの女王」と呼ばれました。今でも残る中世の立派な街並みからは、当時の繁栄ぶりがうかがえます。1987年より旧市街全体が世界遺産に登録

歴史を感じさせる重厚なレンガ造りの建築物

リューベックの街並み
古いレンガ造りの建物が残る街並み。リューベックには石畳の坂道が多い
リューベックには数々の教会や市庁舎など、中世に建てられた古いレンガ造りの建築物がたくさんあります。第2次世界大戦で激しい爆撃を受けましたが、それでも旧市街の建物の3分の2が残りました。破壊された部分は修復され、当時のハンザ都市の歴史的な街並みを見ることができます。

中央駅から旧市街へ向かって歩いていくと、リューベックのシンボル、ホルステン門(Holstentor)が見えてきます。これは15世紀後半、町の防衛のために建てられたもの。壁は3.5mもの厚さがあり、非常にどっしりとしています。すでに建設中からその重みで地面の一部が沈み、門は傾いてしまったそう。今でもその傾きは見てとることができます。本当に重厚ないかめしい門で、町に足を踏み入れたとたん、リューベックがその昔、権力を握り栄えていたという事実を実感させられます。

ホルステン門
リューベックのシンボル「ホルステン門」
【DATA】
ホルステン門 Holstentor
内部の博物館(ハンザ商人の活動についての展示)
開館時間:4―9月 10:00~17:00   10―3月 10:00~16:00
休館日:月曜

様々な建築様式のハーモニーが見事な「市庁舎」

市庁舎
町の中心広場に面した重厚な市庁舎
ホルステン門をくぐって町の中心へ進んでいくと、市庁舎が立つマルクト広場に到着します。13世紀前半にリューベックが自治都市となると間もなく、この市庁舎の建設が開始されました。ゴシック、ルネサンスなど様々な建築様式が混合しているのは、これまで常に増築が繰り返されてきたため。緑がかった黒色や赤色のレンガ、ハンザらしい尖った塔、真っ白なアーケード部分。これらがすべて一つに溶け合っていて、他に類を見ないとても印象的な建築です。

【DATA】
市庁舎 Rathaus
住所:Breite Straße 64, Lübeck
Tel.: +49 (0)451/ 1 22 10 05
ガイドツアーによる見学:月~金曜 11:00、12:00、15:00
※催し物があるときは見学不可

次のページでは、多くの町のお手本となったマリエン教会や、トーマス・マンの博物館をご紹介します。
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