すっきりとした味わいの下面発酵ビール
日本のビールに近い味のピルス |
地域:ドイツ全国 アルコール度数:約4.8%
ピルスはドイツで最も多く飲まれているビールの種類で、店頭での販売数は全体の61%を占めています(2005年現在)。ホップの苦味が効いていて、きめ細やかな泡が特徴。レストランやビアホールでは、細めのグラスで出されます。比較的ドイツビールの中では日本のビールと似ているので、日本人にも飲みやすい味です。
ピルスは全国どこへ行ってもありますが、特に北ドイツでよく飲まれるビール。独自のビール文化を持つ南ドイツ・バイエルン州では、ピルスの販売数は全体のわずか25.8%を占めるのみです。
■Helles(ヘレス)/Lager hell(ラーガー・ヘル)/Export hell(エクスポート・ヘル)
地域:南部(バイエルン州・バーデン・ヴュルテンベルク州) アルコール度数:4.6~5.6%
南ドイツでビールと言えば「ヘレス」のこと |
「Export」は普通のヘレスよりアルコール度数が少し高め。これは、もともと輸出用に作られていたビールだったため、長い輸送期間に耐えられるよう強めに醸造されたことに由来します。
バイエルンでは、まろやかな味の「ドゥンクレス」も人気 (写真提供:Deutscher Brauer-Bund e.V.) |
地域:主にバイエルン州 アルコール度数:4.6~5.6%
ドゥンクレスには、火であぶって色が濃くなった麦芽が50%以上使用されているため、ビールの色も濃く、モルトの風味が効いています。「dunkel(ドゥンケル)」とは「濃い」という意味。まろやかでヘレスより少し甘みがあるこのドゥンクレスは、主に南のバイエルン州で飲まれますが、北部でも「珍しい味」として少しずつ人気が出てきています。
歴史のある「シュヴァルツビア(黒ビール)」 (写真提供:Deutscher Brauer-Bund e.V.) |
地域:ドイツ全国、主に東部 アルコール度数:4.8~5%
シュヴァルツビア(=黒ビール)は、とても色が濃く、香ばしい麦芽の味がするコクのあるビール。その歴史はかなり古く、すでに1543年にテューリンゲン地方で製造されていたことが分かっています。淡色系ビールが一般的となった現在では、シュヴァルツビアはマイナーな存在ですが、100年ほど前まではビールと言えば黒でした。今では出番は少なく、「今日はいつもとはちょっと違った味を」というときに、この香ばしく味わい深いシュヴァルツビアを頼む人が多いです。しかし旧東ドイツ地域では親しまれていて、人気も再び上昇しているようです。
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