いい夫婦喧嘩はパートナーシップのデトックス
「いい夫婦げんかは、パートナーとの関係にデトックス効果をもたらします」
いい夫婦げんかは夫婦間にたまった老廃物を排出する「デトックス効果」をもたらしますが、ダメな夫婦げんかは逆に出口をふさぐだけでなく、ストレスからもっと老廃物を増やしてしまいます。
それでは、「いい夫婦げんか」とはどんな夫婦げんかなのでしょうか?
実はそこには、「言葉遣い」「態度」「気持ち」の3つに厳然としたルールがあります。そのルールを守ってはじめてできるのが「いい夫婦げんか」。
それではこれからそのルールをひとつずつ紹介していきましょう。はたして、皆さまはいくつ守れていますか?
夫婦喧嘩の言葉遣いルール4カ条
まずは言葉遣いに関するルールを4つ。「売り言葉に買い言葉」なんてことにならないように、このルールをしっかりチェック!
◎ルール1:相手を脅したり、見下したり、人格や容姿などを否定しない
感情が高ぶってくるとついつい出るのが相手への悪口や暴言。
「馬鹿」「死ね」「後悔するぞ」、あるいは「デブ」「ハゲ」「クソばばあ」など、興奮すると普段は思ってもいないような言葉が出てきます。
これらはみな、相手を攻撃するだけで問題の解決には少しも役立ちません。
さらに「だいたい、あんたの母親はね……」など、話題には関係ない親や親族を否定したり、「あんな会社で……」「そんな大学だから……」など勤務先や学歴を非難したりするような場合もあるかもしれません。
直接の話題と関係ない個人攻撃にまで発展する場合、二人の間に修復不可能な亀裂を入れてしまうこともあります。いくら夫婦でも言っていいことと悪いことがあることを肝に銘じておきましょう。
◎ルール2:断定的な言い方をしない
「あなたはいつも……ね」「絶対……だ」など、断定的な言い方は相手を自分の視点で押さえつけることになり、相手の反発を招きます。
このような言葉はもし、相手が変わろうとしていたとしてもそれを受け入れない態度でいることを最初から表明しているようなものですから、問題解決には向かえません。
相手を自分の物差しで決めつけるのはNGです。
同様に「また○○するんでしょう。」「××になるにきまってるわ」と、自分の推測でものを言うのも、違う意味で自分の視点で相手を押さえつけることに。
事実でない推測や仮定を基に話をしても、問題の解決からは遠ざかるばかりです。
大事なことは、事実を冷静に確認して、思い込みやあてずっぽうで語らないことです。
◎ルール4:主語は必ず「私」で
自分の意見を述べるときには「私」を主語にして話しましょう。
「あなた」を主語にして話すと、「あなたは○○しないじゃない」「あなたはどうしてそんなことを言うの?」など、自然と相手を責めたり、要求をぶつけたりする会話になってしまいます。
たとえ同じ要求でも「私はあなたに○○しないで欲しいと思うの」という言い方なら、相手への押しつけがましさが減り、さらなる口論に発展しにくくなります。
これは、ケンカのとき以外の会話でも意識すると、夫婦のコミュニケーションがスムーズになります。
夫婦喧嘩の態度ルール6カ条
「感情的になるとだんだん大声に……」
感情が高まった時、思わずとってしまうNGな態度をしっかり認識しておきましょう。
◎ルール1:感情的になりそうになったらクールダウン
言い合いをしているうちに、だんだん声が大きくなってきて、最後には怒鳴りあいに……。
こうなる前に、大声になってきたなと思ったら、「ちょっとお茶でも飲みましょう」といったん議論をストップするのがいいケンカです。
大声の応酬は冷静さを失わせるだけ。
何か飲み物でも飲むなどブレイクタイムをとり、頭を冷やしましょう。
腹式呼吸で深呼吸を何回かするだけでも、高まった感情のクールダウンになります。
◎ルール2:相手を追いつめない
多弁な方が、言葉の少ない相手に対してやってしまいがちなのが、逃げ道がないように追い詰めてしまうこと。
議論が上手な方は、まるでチェスか将棋をしているかのように相手の理屈をことごとく封じ込め、最後は逆切れするしかないところまで追いつめてしまいがちです。
しかし、これでは相手の反発を誘うだけで、理解を得られない場合が多くなってしまいます。
相手の繰り出す理論を100%論破するのではなく、あえて「そうね。その点はあなたの言う通りかもしれないわね」と、一つぐらいは相手の主張を認めてあげることで、相手を追い詰めすぎることを防げます。
◎ルール3:暴力は絶対にダメ
感情的になると相手への暴力に及んだり、あるいは物に当たって、何かを壊したりなどは男女を問わず、最も慎むべきことです。
力による支配、脅し、威嚇は何の解決にもなりません。それどころか、暴力をふるった人自体の評価を下げてしまうことになります。
ケンカはあくまでも言葉でのやり取りで進めましょう。
片方が一方的にまくし立て、相手に発言する機会を与えないのは正しいケンカのやり方ではありません。
お互いが自分の主張を十分に述べることができるよう、発言は交代しながら行いましょう。
また、自分が聞く番のときには、相手の話の腰を折らず、最後まで聞いてから発言することが、相手への誠意を表わすことにもなります。
◎ルール5:ほかの話題は持ち出さない
話がどんどん脱線してしまうのも、ケンカの中ではありがちです。
「そういえば去年だって……」などと過去にさかのぼって問題を蒸し返したり、「それを言うならこっちの件だって……」と関係のない話題に広げたり。
これらはいずれも論点がぶれ、話し合って決めなければいけない内容がぼやけてしまいます。
また余計な悪口にも発展しがち。話し合うテーマはできるだけシンプルに設定し、一つずつ解決していくようにしましょう。
◎ルール6:結論を出した後はいつまでも引きずらない
始めるのは簡単でも、終わらせるのは難しいのが夫婦げんか。特に結論をいったん出した後、どんな態度で接したらいいのか迷う時もありますよね。
大事なことは、いつまでも引きずって、ケンカ腰の態度でつんつんしたり、いじけモードでねちねちと相手を責めたりしないこと。
終わったケンカはさらりと忘れ、新たな気持ちでパートナーと接することです。
上手にケンカを終わらせることができるかどうかが、ケンカ上手になるための大きなポイントですよ。
夫婦喧嘩の気持ちルール3カ条
「前向きな態度がいい夫婦げんかのコツ」
◎ルール1:相手の個性を尊重し、変えようとしない
夫婦だって別々の人格ですから、違った個性を持っていて当たり前。
その違いを確認し、認め合うのが夫婦ゲンカの大事な効用だといえるでしょう。
間違っても、ケンカによって、相手を自分好みに変えようなどと思わないことが大切です。
◎ルール2:喧嘩は勝負の場ではなく意見交換の場と考える
最初から「よし、あいつに勝ってやる」という意気込みでケンカに臨む方が時々いますが、ケンカは勝負の場ではありません。
「自分の意見に相手が従ったから自分が勝ち」と考えるのではなく、お互いの意見がわかり、双方が納得できる点が見つかったことを評価するべきです。
よい話し合い=ケンカができた二人ともが、お互いをほめてよいと思います。
◎ルール3:前向きな態度でケンカをする
夫婦げんかも広い意味では夫婦のコミュニケーションの一つです。
最初から相手を否定し、夫婦で対決しようとするのではなく、最終的には夫婦関係を良い方向に持っていくための手段だ、と考えてケンカをすることが大事です。
そのためには、心の中で相手を認め、場合によっては自分が一歩下がって譲るという、思いやりを常に持っているようにしましょう。
近年は少子化で、兄弟げんかの経験が少ない人が多いこと、またスマホなど情報・コミュニケーションツールが発達したことにより、人と人との生身のふれあい、ぶつかりあいは日常生活において減りつつあります。
夫婦喧嘩をしたあとは、ベッドで異常に燃えるというご夫婦も数多くいらしゃいます。
ぜひいい夫婦げんかで夫婦仲をもっとよくしてくださいね。
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