AACSの仕組み
■AACSでの暗号化
次世代DVDのコンテンツ保護システムをAACSと言います。AACSのビデオコンテンツの暗号化においては、暗号ライセンス者から「デバイスキー」と「メディアキー」+「メディアキーブロック(MKB)」が提供され、コンテンツホルダーから「ビデオコンテンツ」と「使用ルール」が提供され、ディスク製造業者は「タイトルキー」を提供し、タイトルの暗号化が行われます。このとき、ディスク自体も「ボリュームID」という認識情報を持っており、暗号化に使われます。
ここで、暗号ライセンス者から提供されるデバイスキーとメディアキー、MKBは対になっており、その組み合わせでしか暗号が解読できないようになっています。このデバイスキーはプレイヤーに組み込まれるキーです。
AACSでの暗号処理。CSSより多くのキーから暗号化され、暗号化者の提供するメディアキーはデバイスキーと対になっている。 |
■AACSでの復号化
デバイスキーは暗号化者から次世代DVDプレイヤーの製造業者にライセンスされ、プレイヤーに隠されることになります。このデバイスキーと、暗号化ディスクのMKBによって「ProcessMKB」が作られ、それをベースに暗号が解読されていくようになっています。つまり、デバイスキーとメディアキーの組み合わせによって、最初の暗号解読キーが作成されることになります。最終的にはタイトルキーが復号され、これによって暗号化されたビデオコンテンツが再生可能な状態に戻ります。
次世代DVDビデオの暗号システムAACSでの復号処理 |
次ページでは、実際に起きたハッキングとその影響などについて紹介します。