捨てられない人に物を捨てさせるには?
捨てれば、こ~んなに広くなるのに…
「面積を家賃に換算する」手法
「モノが捨てられない」という人に対する説得方法に、「金額に置き換える」というものがあります。「ムダなモノを置いておく面積を、家賃(ローン)に換算したら、○○円です。もったいないでしょう?」という手法です。
たとえば、75平米のマンションのうち、6畳間がまるまる要らないモノで埋め尽くされているとします(実際、こういうケースはよくあるようです)。6畳間の面積を、収納も込みで約10平米としましょう。その割合は13%。1割強です。
そのマンションの月々の家賃(ローン)が15万としたら、要らないモノのために払っている家賃(ローン)は月々1万9500円! 年間24万円近くを、まったく使わないモノのために支払っているのです――。
「合理性」の落とし穴
この説得は、普通に考えたら、非常に合理的です。使いもしないそんなモノのために、一部屋をまるまる明け渡し、その分の家賃(ローン)を払っているなんて、愚の骨頂です。即刻片付けて、きれいさっぱり捨ててしまえば、もっと広々と気分よく暮らすことができるし、お金だってムダになりません。しかし実際は、この合理的な説得を理解しても、実行する人はごくわずかだと思います。
「捨てない人」には馬耳東風
確かに、面積をお金に換算し、その非合理性を突くことは、理にかなっています。でも、人間はそんなに合理的な生き物じゃありません。わかっちゃいるけどできない。人間ってそういうものです。特にこの、捨てないタイプの人は。
そもそも、どんなにムダなお金を払っているって言われようが、家賃を払えている限り、痛くもかゆくもないんですから! 確かにお金をドブに捨てているかもしれない、でも、片付けたからといって、月々支払う家賃が安くなるわけじゃないし!
この論理が通用するのは、一度でも片づいて気持ちのいい状態に、お部屋をチェンジできた人だけです。要らないモノの山と一緒に暮らし、努力や変化を望まない人にとって、月々少々のムダな支払いなんて、「へのカッパ」なのに違いありません。
捨てるためには、「痛み」が必要!
「家賃を増やす」で痛みを知る!
では、どうしたら人は痛みを感じるのでしょうか?
答えは簡単、「今の家賃より更にお金がかかるようになったとき」。
どうしても捨てるのが面倒くさい、動きたくない! という人には、是非「トランクルーム」「貸し倉庫」を利用してもらいましょう。
このとき、持ち主に、荷物の移動の許可だけはとっておいてくださいね。
自分でモノを移動するのが面倒な人に違いありませんから、涙を呑んで周囲の人が段ボールに詰め込んであげてください。そして、それをトランクルームなり倉庫なりに送ってあげてください。そして、請求書は、持ち主に回してもらいましょう!
捨てられない人が抱え込んでいる、使いもしない、愛着もない、でも捨てるのがメンドくさいモノ。それを外に出したら、月々どのくらいのコストになるかを、肌で感じてもらおうではありませんか!
この作戦のいいところは、「モノがない空間」の気持ちよさを、これまた肌で感じてもらえるところ。この心地よさを手放すためには、今度は「不用品の処分」に取り掛からなければなりませんが――。
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