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昭和30年代のシンプルライフ・後(2ページ目)

シンプルだった日本の家庭に、ドドっとモノが入り込んできたのもまた昭和30年代。暮らしの変遷をたどります。

金子 由紀子

執筆者:金子 由紀子

シンプルライフガイド

当時は相当オシャレなインテリア。やっぱモノ増えてます(c)「はすぴー倶楽部」はすぴーさん(松戸市立博物館)

だから日本の家にはモノが多いのだ!

四季がはっきりしており、季節に応じたモノや行事用品を収納してきた日本の住宅は、こうして、その広さにそぐわないさらに大量のモノを抱え込むことになりました。モノが輝いていた当時、モノをたくさん持つことが善、モノの数=豊かさ、であった昭和30年代、その基礎が築かれたわけです。






昭和30年代の家財道具。以後だんだん増えていった(c)「はすぴー倶楽部」はすぴーさん(大宮博物館特別展、終了)

少ない昔に戻りたい?

今、各地で昭和30年代を再現した博物館展示や、商業施設が人気を博しています。町並みをそっくり昭和のまま保存しようとしている町もあります。そこには、人々(当時生まれていない若者も含め)の、この輝かしい時代への強烈なノスタルジーを見てとることができますが、それは「増えてゆくモノ」への喜びよりも、「モノはないけれど豊か」だった時代への憧憬ではないでしょうか。

単なるノスタルジーに終わらせない

昭和30年代って、
「便利なモノはたくさん出回ってきたけど、まだ買えない。でも、それを必要としない生活の知恵や技術があったし、暮らしを楽しむたくさんのゆとりがあった」。
これを、現代のシンプルライフに応用するとしたら、
「便利なモノはたくさん出回っているけど、それが本当に必要か、立ち止まって考える。モノを持たなくてもできること、楽しめることを、もっとゆっくり考える」。
便利なモノがいっぱいだけど、暮らす技術も失われていないこの時代には、これからのシンプルライフを考えるうえで大切なヒントがたくさんある。だからみんなが魅きつけられるのでしょうね。

※今回の写真も、昭和レトロならお任せ! のサイト、「はすぴー倶楽部~昭和の思い出~」管理人「はすぴー」さんにご協力いただきました。ありがとうございました!



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