シンプルライフ/シンプルライフの達人

『何もなくて豊かな島』の暮らし 崎山克彦さんの講演より(前)(3ページ目)

『何もなくて豊かな島』(新潮社)の著者崎山さんは、フィリピン・セブ島沖の小島カオハガン島で、シンプルかつスローな生活を営んでいます。その暮らしぶりは‥‥?

金子 由紀子

執筆者:金子 由紀子

シンプルライフガイド

島の子供たち

「そんなカオハガン島の子供は、人口に占める比率も高く(つまり皆子沢山)、島を活気づけてくれる存在です。大きな子供たちが小さな子供の面倒をみるのは当たり前、昔の日本のように、赤ちゃんを抱っこしながら遊ぶ子供たちの姿が普通に見られます」

「子供たちの遊びは実にバリエーション豊富。30メートル級の椰子の木にするすると登ったり、浜辺では椰子の実の殻や貝を使っておままごと、ボールはないけれどゴムぞうりを使っての野球、ビー球でやるビリヤード、もちろん海では実益を兼ねて魚を取ったり、子供でも自在に舟を操って移動したり‥‥子供たちは遊びのなかから、生きる技術を身に付け、ほかの子供や社会との絆を深めていくのです」
スライドに映し出される子供たちの表情は、ほんとうに輝くように明るく健康です。島じゅうを団子になって遊び場とする子供たちが、心も体も健全に育っているのがよくわかりました。

子供が何の心配もなく明るく暮らせるのが、ほんとうに豊かな社会だと思います。島にはとにかくモノがなく、テレビ視聴もきわめて限られているとのことですが、豊かな自然と安全な環境があれば、子供がすくすく育つのに何の不足もないのだと知らされました。(次回につづく)
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