暑さたけなわの今日この頃。涼しさを求めて埼玉の山へ出かけてみませんか。
埼玉というと首都圏でも暑いことで有名な場所ですが、ちょっと足を伸ばして越生(おごせ)のあたりまで来ると、山には涼風が吹き、マイナスイオンたっぷりの滝と、ぬるめの鉱泉が待っています。暑いからいって避けていると、もったいない思いをしますよ。
ちょっと早起きして、ふらりとドライブ&散策に出かけてみませんか。
顔振峠の平九郎茶屋から眺めた峠の風景。うぐいすや蝉の声が谷間にこだまし、涼風が吹き抜けていきます。 |
絶景の山々を見渡す顔振峠
峠から徒歩10分ほどの見晴台までは急坂。けれど緑の木々に包まれ、心地よさ抜群。 |
なかでもおすすめは顔振峠。西武秩父線吾野駅からハイキングで約1時間半。秩父や遠くは山梨の山々が見晴らせる峠です。もちろん、車でも来られますので、ドライブにももってこい。
顔振峠から黒山三滝にかけては、関東周辺で育った人たちには、子供の頃に一度は行ったことのある行楽スポット。でも、大人になると、近すぎて、なかなか出かけなくなってしまいます。子供や学生の頃の懐かしさを思い起こすにも、この周辺は絶好の場所。
何を隠そう、私も小学生以来で出かけたのですが、その頃と風景が少しも変わっていないことに驚きと郷愁を覚えました。
峠にあるのどかな平九郎茶屋で、夏場はかき氷やところてんをいただきながら、峰々にこだまする鶯の鳴き声に耳を澄ませていると、緑を抜けて吹く涼風が頬を撫でていきます。
私がでかけたのは、夏の平日のまだ10時台。ひとり歩きのハイカーがぼちぼち峠にさしかかる頃で、閑散とした茶店では、分厚いハードカバーの本を繙く初老の紳士がひとり。
気の良い茶店のおばさんが、「ゆでたてなの、ひとつどうぞ」と、茹でたてのじゃがいもを振る舞ってくれたりする。週末ともなれば、グループや家族連れが目指す顔振峠。
その名の由来は、かの源義経が鎌倉を追われ、北陸を経て東北・平泉に落ち延びる途中、この峠から鎌倉を偲んで、振り返り振り返り登ったからだとも、お供があまりの急坂に顔をふりふり登ったからだともいわれています。
以前は「こうぶりとうげ」と呼ばれていましたが、今は地元の人の呼び方「かあふりとうげ」が呼称になっています。
茶店の上には見晴台もあり。急な上り坂を10分ほど登りますが、天気のいい日には富士山も見えますし、関東の山々の稜線の美しさは溜息もの。ぜひがんばって、登ってみてください。
この峠からはハイキングコースがいっぱい。元気と体力があれば関東平野が一望できる関八州見晴台に向かうのもよし、峠を下って、清涼感いっぱいの黒山三滝に向かうのもおすすめ。
私は迷わず、夏の癒しスポット、滝を目指しました。
【顔振峠】
■住所:埼玉県飯能市大字長沢
■問いあわせ:042-973-2111(飯能市観光協会)
■交通:西武秩父線吾野駅からタクシー10分、または徒歩1時間(3.6km)
■飯能市ホームページ 観光ガイド
◆平九郎茶屋◆
住所:埼玉県飯能市長沢1562
電話:042-978-1525
営業時間:9:00~17:30(土・日曜、祝日は~18:00、夏期は8:00~18:00)
定休日:無休
駐車場:あり
次ページでは、マイナスイオンの癒し効果抜群、黒山三滝をご紹介します。