カナダの高校には「先輩・後輩」といった感覚がない?
公立高校のパソコンルーム。 |
友冨さん:「年齢」、「学年」を重視する日本からの生徒さんには一番気になるところですね。カナダの教育制度では9年生~12年生までの4年間が高校となり、この4年間で必要な単位を取得していきます。生徒さんは、在学中、年齢や学年にあまりとらわれることなく、個人のペースで単位を取得していき、卒業までに必須科目12単位と選択科目18単位の合計、30単位を取得する必要があります。
この他、最低40時間以上のボランティアワークをこなすこと、さらには9年生レベルの英語力が備わっているかどうかのテスト(Literacy Test)にもパスしなければいけません。これらの条件を満たして、晴れて卒業となるわけです。
日本の学年とほぼ同じペースで進むことができる方もいれば、日本の学年より1~2年遅れて卒業する方もいます。卒業年はカナダへの留学を始めた時の英語力によって、かなりの差が出てきますが、中には北米の大学に進学するために、英語力を少しでも高校在学中にあげておきたいということで、わざと1年多く通学する方もいるほどです。
同じ年齢の学生でも、ある教科は10年生の科目を、ある教科は12年生の科目を……、というような単位の取り方をしますので、慣れてくると日本のような「年齢」や「学年」、「先輩・後輩」といった感覚が次第になくなってきます。
勉強の出来不出来よりも、出席率が重視される
ガイド:単位不足で卒業ができないケースなどはありますか?友冨さん:出席率に関してはかなり厳しく見られますので、遅刻、欠席があまりに多いと、学校から連絡を受け、日本へ強制送還になるケースもあります。単位不足というよりも出席不足の方が挫折するパターンだと思います。留学生の場合、もともと言語にハンディーがある訳ですから、授業をサボっている暇など一切ありません。日本よりもずっと課題や提出物が多いので、しっかりと勉強する気持ちがなければ、授業についてはいけません!
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