寄港地では、各地で伝統や文化に触れるチャンスも |
「学生時代オーストラリアに1年留学し、もともと外資系企業に勤務していることもあり、日常会話には困らない程度の語学力はありました。プログラム参加中は、毎日密に英語に接していたこともあり、リスニング能力は格段に上がったと感じます。乗船前は外国人が話す英語への理解度が50%だったとしたら、下船時には90%くらいになったかと思います」(関口さん)
「わたしも、大学生のときイギリスに1年間留学経験があるんです。でもそのときはあまり得意ではなく、帰国して社会人になってからラジオ講座などで独学で勉強を続けていました。43日間英語漬けになるために英語に慣れ、上達する参加者は多いと思います」(村本さん)
―― 準備にはどれくらい時間をかけられましたか?
「一般の参加者は、昨年9月の5泊6日の事前研修への全日程の参加が条件になっていて、その後グループや委員会別に活動に必要なことをメールなどを通じて話し合い、準備します。各地域ごとの出し物の練習や各自でディスカッションの勉強を行う人もいます。またナショナルリーダーとサブナショナルリーダーの2名は、10月に開催された4泊5日のナショナルリーダー会議(※)に参加しました」(村本さん)
※13ヵ国のリーダーが事前に東京に集まり、リーダーとしての役割や責務、スローガンの決定、問題解決等の共通認識をするための内閣府主催の公式会議
船内活動では、各国の文化紹介も行われる |
―― 夏休みや有給を使って行ける短期留学やプチ留学と違って、このプログラムにはそういう本番前の研修があり、実際の航海は40日以上もありますよね。社会人の立場で参加されたわけですが、周りの反応はいかがでしたか?
「会社の研修制度としてはなかったため、自分で人事や上司に掛け合い、有給消化というかたちで、認めてもらいました」(関口さん)
「プログラム参加前は派遣で働いていたのですが、契約を終了して参加しました。家族は2回目ということもあり、『自分で決めたことだから』という感じであまり何も言われなかったですね。家族に反対されないというのは、精神的には、応援されていると感じられるので非常にありがたいと思いました。友人からは、『また、そんな経験ができるなんて羨ましい』という反応が多い反面、『船で何するの?』という質問も多く、参加したことがない人にとっては、イメージがつきにくいものなのかもしれません。家族や友人からの励ましや支えがあるということは、参加しているときに辛いことがあったときの励みになります」(村本さん)