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ソルトレーク冬季五輪が開幕した。テレビ観戦もいいけど、次のオリンピックには参加することを考えてみてはどうだろうか? 「自分には無理」と思った人、ちょっと待った! 「出場」することはものすご~く難しいかもしれないが、「参加」することは不可能じゃない。たとえ、スポーツはてんでダメという人でも。
その方法のひとつが、「オリンピックボランティア」だ。日本ではボランティア活動自体が盛んではないため、ピンと来ない人が多いかもしれないが、国際イヴェントにボランティアは不可欠。あらゆる国の人が関わってくるため、スタッフやボランティアも開催国の人だけではないのだ。世界中の人と、短期間に交流できるチャンスは、そうそうないと思う。留学やホームステイとは、違った形の有意義な国際交流体験のひとつである。
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2000年のシドニーオリンピックの際に、フツーの人々がボランティアとして大活躍するのを間近で見る機会があった。その数、4万5千人以上。彼らはまさしくヒーロー扱いだった。草の根レヴェルの国際交流。これ抜きに、シドニーオリンピックの成功は語れない、というのが、シドニーっ子たちの共通見解である。盛り上がりに欠ける直前までの白けたムードがあっという間に消え去り、ボランティアの人々から溢れ出るオーラに伝染するように、シドニーの街全体が心地よい雰囲気に包まれたのは、奇跡的でさえあった。
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オリンピックボランティアには金銭的なメリットはない。日本から行くとなると、現地までの航空運賃などはもちろん自己負担である。滞在先から職場までの交通費や、勤務中の食事は無料となるケースが多いが、宿泊は自分で手配しないといけないことがほとんど。目に見えるものとして手元に残るのは、ユニフォームとマニュアルくらい。
それでも、繰り返しオリンピックに参加する人がいる。参加をステップにして、ほかの国際交流活動で活躍する人がいる。その理由は何なのだろう?
お金ではゼッタイ買えない貴重な体験の醍醐味は、きっと現場に行かないと味わえない。