日本語と中国語。どちらも漢字を使う言語ということで、似ているところもたくさんあります。
似ているからこそ発見できるちょっとした違い。その違いを知ることで、日本語・中国語をさらによく知り、深く楽しむことができます。
「日本語中国語比較コラム」では、そんな違いを少しずつご紹介していきたいと思います。
今回は同じ漢字を使うけれど意味の違う単語の1つ
「大家」に焦点を当ててみましょう。
大家=日本語の元々の意味は母屋・本家
日本語での読み方:「おおや」「たいか」「たいけ」
たいけ
お金持ちの家。社会的地位や身分の高い家柄。「たいか」とも言う。
たいか
大きな家、立派な家屋という意味の他に、ある分野で特に優れた知識や技能などを持っている人のことを言う。
しかし、「大家」という日本語を見て多くの人が思い浮かべる言葉は、アパートやマンションの「大家(おおや)さん」ではないでしょうか。
「たいけ」「たいか」の意味からわかるように、「大家」はもともとは母屋や本家、大きな家を意味する言葉で、そこから転じて貸家の持ち主、家主という意味として使われるようになった言葉です。
中国語の【大家】[da4jia1]は「みんな」
中国語の【大家】と言えば、一番メジャーな意味が「みんな」ですね。
【大家好!】[Da4jia2 hao3]
=みなさんこんにちは!
【請大家安静点儿!】[Qing3 da4jia an1jing4 dianr3]
=みなさん静かにしてください
けれども、中国語の【大家】にも、日本語の「たいか」「たいけ」と同じ意味があります。日中両国で【大家】の意味が違う方向に進化していったのが感じられて面白いですね。
日本語の「大家さん」の中国語訳は?
部屋の貸主を意味する大家さんの中国語訳は
【房東】[fang2dong1]
【房主】[fang2zhu3]
となります。【房】は部屋を意味する中国語なので、それの「主」が大家さんになることは納得ですね。【房東】で、「東」が登場するのは、母屋や敷地の東側に置かれていた名残だと思われます。
これからも不定期で日本語中国語比較コラムをお届けします。
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