フランス/フランスの観光・世界遺産

ラベンダーの香りに誘われて、三大シトー修道院(4) セナンク修道院

ラベンダーの香りに誘われてやって来ましたセナンク修道院。三大シトー修道院巡礼の旅の最後は名前は知らなくとも見れば分かるあそこです!

執筆者:赤木 滋生


ねえねえ、見て見て、一面ラベンダー、かわいい!セナンク修道院よ、ぐっとくるわね、なんてすてきなロケーションなんでしょ。


 INDEX
  ■谷を見下ろせば紫のカーペット
  ■ドーム天井の頂からもれる光
  ■回廊に続く祈りと書写の生活
  ■今もそこには修道士の生活が
  ■セナンク修道院お役立ち情報情報


■谷を見下ろせば紫のカーペット
ちょうど6月の末だとラベンダーのまっさかり、ここに来るならこの時期を外しちゃだめだね。うわ、この香りがまたうっとりしちゃうのよね。

「こんな時は運転役がうらめしいよ。せっかくの絶景もすれ違いの出来ない狭い道とどんどん入ってくる大型観光バスや車のおかげで楽しむどころか汗びっしょりだよ。こんなことなら花の時期を外せばよかった。あ、いや今の言葉は撤回するよ。、本当にきれいだね!」


すり鉢のような谷底にある修道院のまわりの平地と言う平地はぜんぶラベンダー畑だね。もっともこの谷じゃぶどうはむりかもしれない。

「おや、この修道院は聖堂の正面が東向きじゃないね!これはめずらしい。ちょうど十字架の先に当たる三位一体を意味する3つの窓はふつう東向きなんだけどな。ここは北に向かって窓を設け、コリドール(回廊)が西側だ。」


ねえ、静かにしなくちゃだめだよ。ここってさ、1988年からまた修道士さんが生活してるんだって。だからしずかに見るのはもちろん肌を露出しすぎた服装も禁止されてるんだよ。ほら入口でタンクトップの女の人なんかショールをかけられてるでしょ。

「ほんとだ、それでさっき君も上着を着てたのか。ところでここの順路はいきなりドミトリーからなんだね。ここは2階になるんだな。へえ、朝のって言うより夜中の2時には起きて祈りに聖堂の方に行かなきゃなんないのか。で、ここに戻って寝れるのは夕方の祈りを終えてからか、大変な生活だね。」

「石材を加工する道具があるね。硬い御影石なんかと違って石灰岩質の砂岩は割に切ったり削ったりするのが簡単なんだ。こんな鉄ののこぎりや石刀なんかで削れちゃうんだね。でも積みあがった建物を見るとみごとな精度だよ、ぴったり紙切れ一枚入らないようにまで加工されてるね。」
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