フランス/フランスの観光・世界遺産

トラピストの先祖?プロヴァンス三大シトー修道院(3) シルヴァカンヌ修道院(2ページ目)

デュランス川の湿地帯に広がるアシの原にひっそりとたたずむシルヴァカンヌ修道院。ロマネスクからゴシックに向かう様子がそのままに!

執筆者:赤木 滋生

高く明るく
「ほらリブを見てごらん、ちょうど本堂の内陣と交わる部分は交差リブヴォールトになっていてアーチ天井をクロスさせることが出来るんだ。トロネの天井と比べるとよく分かるけど十字架の形の聖堂全体の天井を高く広くできるんだ。」

ここのリブはただの四角いリブじゃなくて、上にまあるいリブを重ねてちょっとおしゃれなのね。

「それはアーキヴォールトと言って飾りを兼ねた補強なんだよ。根っこにあるキュロットという支えにも装飾が彫られてるね。あれでも床から3メートルもあるんだ。ここはトロネの苦行と祈りのかたまりのようなそっけなさと違ってちょっとだけ華やかだね。もっとも飾り自体はどれも宗教上意味のあるものばかりなんだって。」


ここも回廊やドミトリーなんかは北側にあるんだね。明り取りのアーケードもやっぱり角は丸く削られててあちこちが彫刻されてる。北の水汲み場は沐浴用だね。あ、よく見ると明り取りのアーチも小さい方は先がとんがっているよ!


参事会室やドミトリーは東北に固まっていてトロネと同じような配置になっている。僧たちの部屋だけは暖炉があって生活の場らしいけど、ここでの暮らしも大変だったんだろうね。冬は寒いから分厚い僧衣を着てわらのマットにそのまま寝たんだって。
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