地下深い洞窟の中、トログロディート(穴居人)になりきって味わうロワール地方の郷土料理。ムードたっぷり、神秘的なキャンドルのほの明かりの中、とろけるようなリエットを塗りこんだあつあつのフゥアスに舌鼓を打ちながら過ごす至福のひと時。・・・
INDEX
■ムードたっぷり洞窟レストラン
■穴居人になり切っちゃお!
■アンジューワインでいただく郷土料理
■洞窟レストランへのアクセス
■ムードたっぷり洞窟レストラン
ロワール川の豊かな流れと良く肥えた広大な平野に恵まれたアンジュー地方にはおいしい食材が一杯。この新鮮な材料を昔ながらの料理法、昔ながらの雰囲気でいただきたいものですね。夏涼しく冬暖かいトログロディートの洞窟の中でおいしいアンジューワインとともにこの地方独特の料理を楽しみたいと思い観光局に相談してみると、ありましたありました。
このあたりの郷土料理はもともと洞窟の中で作り上げられたもの、町の中の便利な台所で生まれるものではありません。教えてもらった通りにアンジェから南に向かうこと数十キロ、あのロシェムニエールの集落とそっくりの景色の続く畑の中をとことこと車を走らせると教会の尖塔以外何も無いような所にぽつんと小さな駐車場の看板が見えました。
こんな所でお客さんが来るのだろうかといぶかりながらも案内に従って細い田舎道を歩いて行くと、突然といった感じで階段が現れます。階段を下りきった所にしゃれた小さなネオンサインが。正面に木戸、横にはかわいいレースのカーテンで飾られた窓が蜂蜜色の岩肌に刻み込まれています。
見上げるとぽっかりとまあるい小さな青空が頭の上に。レストランは本当に穴の中なんですね、とりあえず木戸をノックすると長身のご主人がにょっきりと顔を出して来られました。「ボンジュー」ご主人の肩越しにのぞくと中は真っ暗。案内に従って入ってゆくと、所々壁をえぐってしつらえられたキャンドルピースのほの明るいロウソクが柔らかに光を投げかけます。
お客は私たち一組だけ。でも他のテーブルを見るとカトラリーがちゃんとセットされていてちょっと来るのが早過ぎたかな、と、見る間にぞくぞくと新たな客たちのご到着、あっという間に満席になってしまいました。
この頃になると目もすっかり慣れてきてまわりをきょろきょろ。わずかな光が丸い天井や壁に反射し、枝分かれした洞窟に強く弱く描き出される光りの壁画が幻想的。ぞくっとするような秘密めいたムード。さて一体どんなものを食べさせてもらえるのでしょうか。