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お城と乗馬の町は発泡性ワインのかくれた名産地 さわやか!ソミュールブリュット(2ページ目)

ロワール地方西、城館の町ソミュールは、ワインはもちろんブリュット(発泡性ワイン)の名産地としても有名、お城といっしょに地中深くガーヴを見学、おいしい試飲も楽しみましょう。

執筆者:赤木 滋生

■それではいよいよAMIOTのカーヴ(洞窟)めぐり

このあたりは石灰岩質の岩盤にあちこち洞窟が走り、年中変わらぬ気温(16,7度)と湿度がスパークリングワインの醸造に絶好の条件を作り出しているそうな。ところどころに頼りなげに光る照明は真っ黒な闇に吸い込まれ、洞窟の壁はじっとり湿気を帯びなにやら不気味。壁沿いにぎっしりと積み上げられているのは膨大な量の壜、樽で発酵させるんじゃないんですね。その1本1本に若いワインが詰められゆっくりとした時の流れの中で少しずつ再び発酵し炭酸ガスを溶け込ませながらおいしい発泡酒へと生まれ変わってゆきます。

面白いのはすべての壜が下を向いていること。さらに奥に行くと縦横に仕切りの入った斜めの棚に差し込まれた壜が人の手によって少しずつ廻されていること。これによって上にたまった泡が溶け込み、沈殿したおりが口にたまります。高級品はいまだに職人さんの勘にたよりこうして手間を掛けて仕込んで行きます。もっとも現在では、出荷量の多い普及品はコンピューターにより自動的に廻され、醸造時間を3分の1に短縮しているそうな。

さてこうやって愛情込めて作られたブリュは口におりがたまり、壜の回りはかびがびっしりの状態でやっと日の目を見ます。大きな大きな迷路のようなカーヴを歩いて回り方向感覚も何もむちゃくちゃになった所で突然明るくなるとそこは近代的な瓶詰め工程。まず、おりを冷やして凍らせ王冠を抜きます。いきおいよく飛び出たおりは捨て、そこにリキュールを加えてコルク栓をはりがねでとめ綺麗なラベルと銀紙でお化粧すれば出来上がり。

このVEUVE AMIOTはフランスのスパークリングワインでは最大の出荷量を誇り、年間300万本以上が世界中の食卓に上がっています。重厚なシャンパーニュとは趣向が違い、あくまで軽やかな飲み口は親しみやすさでもマル。品種も辛口のブリュットからめずらしい赤のやや甘口、までとりそろえ、直売ショップでフルートを傾けあれこれ味見しているとすっかりほろ酔い気分。お気に入りの壜を包んでもらうだけでなく、箱入りの直送を頼む人もあちこちに見られます。

これらの写真はVEUVE AMIOT社のご好意で掲載しております。
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