ヴェトゥイユ(Vetheuil)
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ヴェトゥイユはまことにひなびた田舎のたたずまいの中、モネにも描かれた教会と、今はキャフェに変わった、モネが4年足らず滞在した下宿屋が残っています。もちろん観光客の集中するジヴェルニーとは違い、観光施設というものは全く存在しない小さな村ですが、その分昔ながらのたたずまいがそのまま保存されたような場所となっています。
ジヴェルニーにモネが屋敷を構えられるようになるのは彼が40を過ぎてから。この頃になると次第にその斬新な視点と、卓越した表現力が認められるようになり。藁積みを描いた連作の展覧会が大変な好評を博すとともに、彼の経済状態は一気に好転しました。1880年を過ぎそれまでの印象派の様式の集大成を目指すべくジヴェルニーに広大な土地を手に入れ、そこに大好きな浮世絵を蒐集する屋敷と、自らの理想の絵を表現出来るモチーフ、あこがれの日本風の庭園を作り上げ居を構えたのが1883年のことでした。