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狙われた女性たち…。電話を使った卑劣な犯行。 「わいせつ電話数万回」の罪名

警察官を装って、女性宅に電話をかけては、わいせつな内容の質問に答えさせた容疑者の罪名は? 「わいせつ電話」も、こんな手口では拒めない!? 迷惑を受ける女性は本当に不快な思いをさせられます。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

ある男の逮捕

わいせつ電話をかけているのは誰?
わいせつ電話をかけているのは誰?
平成16年4月中旬のある日の午前10時頃、九州・大分県内の男(44歳)が、警察官を名乗って公衆電話から、県内の二十代の主婦に「逮捕した変質者が、あなたの部屋の隠し撮りをした盗撮ビデオを持っていた。内容の確認をしたいので、質問に答えてください」などと電話をかけて、持っている下着の色などわいせつな内容の質問に答えさせた、という疑いで、平成16年11月11日に大分東署に逮捕されました。

「答えないと、夫に確認してもらう」などと脅してもいました。容疑者は、「6~7年前から、5~6万回、不特定多数の女性に同様の電話をかけた」(記事によっては数万回と記載されている)と話しています。また、「実際に確認してほしい」と言って、近くのスーパーなどに呼び出すケースも多かったといい、女性への暴行容疑もほのめかしているため、余罪についても追及されています。

よくある“わいせつ電話”

女性なら、誰でも一度や二度は、「わいせつ電話」を受けたことがあるものでしょう。下着の色を聞いてきたり、今、何を着ているか、とか、さらにわいせつな内容の不快なことを電話口で聞かされて、怒りとともに、受話器をガチャンと下ろした経験のある人は多いようです。


大分東署には99年ごろから、管轄する大分市東部だけで約500件の相談があり、他に中津、宇佐、臼杵市でも同様の相談が寄せられているということです。「6~7年前から、5~6万回」というから大変な回数の電話をかけていたわけです。「6~7年前から、5~6万回」ということは、単純計算で平均一日22 ~23回の電話をかけていたことになります。

身元がばれないように「公衆電話」を使ったのでしょうか、同区域内なら10円で60秒、隣接区域内及び20kmまでなら42.5秒です。テレホンカードを安く購入して利用していたとしても、一日最低数百円程度の出費、通話時間が長くなればもう少し、それでもせいぜい一日に千円程度だったかと思われます。

ただの電話代ですから、単純計算で、月に数万円程度、年間でも数十万円程度の出費。飲みに行ったり、ギャンブルに使ったりすることを考えれば、「6~7年前から、5~6万回」といっても、それほどの費用はかけていないといえそうです。とはいえ、やはりこんなことにトータルで100万円以上つぎ込んで、お金を使って逮捕されているのですから、賢い使い方とは誰も思わないでしょう。

狙われた主婦

この回数を見ると、女性だけを狙ってということはリストがないと無理でしょうから、アトランダム(無作為)にかけて、女性が出たら、ということではないでしょうか。午前中や日中の電話のようですから、その時間帯に電話に出れば、「自宅にいる主婦」という可能性が高いということをわかっていた…。夜間では夫や家族がいることが多いので、一人でいる女性を狙うためにはその時間帯がベストだったと考えたのでしょう。

今回の報道では、主婦が被害を受けたケースのみ表に出ていますが、中には当然、独身女性も被害に遭っているものと思われます。平日だけでなく、土日などには電話に出たのが若い女性なら、同様の行為をしていたのではないでしょうか。男は車検代行業をしていたということですから、仕事の合間にしょっちゅう電話をかけていたのか、わりと公衆電話をかけやすい環境にいたのかもしれません。


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