現金はあるときを狙われる!
去る4月1日(月)午前に千葉県稲毛区の大手スーパーで発生した「現金輸送車襲撃事件」は、年度末、月末、週末明けという条件下で、金土日3日分の売上金のうち、約7,700万円が奪われています。このケースからわかるように、普段より確実に多い売上金をねらって、現金強奪を計画している人物あるいは組織が、今度のゴールデンウィークに襲撃を実行するのではないかと懸念されます。
4月最後の週末と、5月初めの週末は金融機関の休業日という点からそれぞれ休み前日からの、4日分、5日分の売上金を店内等で保管することになるお店も多いでしょう。
夜間金庫を利用するなどしても、釣り銭も普段より多く準備しているでしょう。月末、給料日あと、三連休、ゴールデンウィークと、売り上げは普段より多い店が大多数と予測されます。
連休最終日のもっとも売上金の集まった日の閉店後、あるいは休み明けの売上金回収時、金融機関への持ち込み直前、など現金が確実に集まっているときがもっともねらわれやすいでしょう。
小さな商店でもそれなりの売上金をねらって、単独犯による忍び込みなどの窃盗、あるいは強盗事件が発生する危険性があります。
大切な売上金を奪われないように、売上金を管理する人は普段の何倍もの警戒が必要です。
いつもの手順、移動や輸送のルートなどの再点検、そして「現金盗難被害」を想定したシミュレーションなどの予想訓練や厳密な計画をしておくべきです。
変更事項については必要最低少数の人だけが把握しておくようにしましょう。
また、警戒するべき日は当日だけではありません。現金強奪を計画している人たちは、事前から現場の状況を下見するなどして、準備に余念がないと思われますので、連休前から、万一被害が発生したときに犯人らがどの位置や方向から襲撃して、どちらに逃げると考えられるかなど、周辺事情をよく把握しておきましょう。
休みの最終日は従業員も疲れと安堵で気がゆるみがちです。休み中は従業員の確保も難しく、普段より人数が少なかったり、臨時の従業員もいるかもしれません。警戒がおろそかになりやすいのです。確実に、襲撃される側の方が、襲撃する側より受け身であり、弱いと言えるでしょう。
「最悪の事態」を想定して、どれだけ対策をとれるか、によって、被害の発生状況が変わってきます。最悪の場合、売上金を取り扱う従業員の身にも被害が及ぶかもしれないのですから、事業主の「現金強奪を阻止する」心構えと実行力が問われるでしょう。
また、現金自動支払機ATMにも警戒が必要です。
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