ゴキはどこからやってくる?~ゴキブリの住居侵入経路(と、その盲点)~
新築したてなのに、どうしてゴキブリが出るの?!」 それは、もしかすると・・・・・・! |
「ウソ、まさか!」と思われるでしょうが、私たちにとって最も身近なゴキブリである『クロゴキブリ』(2~3センチ、黒くアブラぎったツヤがあり不気味。ほぼ日本全国で見られる)の卵鞘(らんしょう)は長さ1センチ、幅5ミリ程度。色は黒っぽい褐色で、ウッカリすると何かの草の実やボタンに見紛うような形態をしています。
これが、産卵されたと同時にメスの唾液により家具の隙間などに「貼り付けられ」てしまうことで、その地色と相まって、おいそれと発見できません。
近視の人なら、相当近くに寄らないと見ても見過ごしてしまう可能性があります。また、クロゴキブリ同様私たちの身近にいる『チャバネゴキブリ』の卵鞘は、なんとあんこになる「アズキ」に酷似しています。
ところで、先ほどから「卵」ではなく「卵鞘(らんしょう)」と書いていますが、ゴキブリの「卵」は多く、まとめて安全な「鞘」の中に産み出されています。
『クロゴキブリ』ではひと鞘22~26個の卵が入っていて、1匹のメスが一生の間に産む卵鞘は30個ほどですが、夏など気温の高い活動期には、せっせと数日置きに産みます。梅雨~夏の引っ越しの際にはよほど注意しないといけないということです。
5~10月が産卵期で、およそ40日で卵は孵化します。ただ「鞘」に入っていることによって護られ越冬も可能なので、真冬といえど気が抜けないのです。
また、産卵場所としてよく好まれるのは古い家具の戸棚や引き出しの奥といった、なかなか人の目や手が届かないような場所。
最近アンティーク流行で古道具人気ですが、お茶菓子などを入れていた茶箪笥の類は特にメンテナンスに注意しないと、家具と一緒にゴキブリの卵鞘をも購入してしまいかねません。
また、古い冷蔵庫や電子レンジ(!)、テレビといった家電も産卵場所・巣となりやすく、なるほど引っ越しの際に家電を一気に新調というのは一種のゴキブリ対策にもなるのですね……。
引っ越しがらみで付記しておきますと、荷物を入れるための段ボール箱を、食品スーパーの「ご自由にお持ち下さい」といったコーナーから持参するのは、なるべくなら避けたほうが無難。
食品の匂いや汁がゴキブリを呼びやすいということもありますし、稀に段ボール箱内部に『チャバネゴキブリ』(成虫でも体長1~1.5センチと小型で赤褐色、段ボール箱に紛れて見えづらい!)が潜んでいる場合があります。
タバコの箱から・・・・・・「カサカサこそこそ」?! |
禁煙しようとして挫折、しばらくぶりに手に取ったタバコの箱から孵化したてホヤホヤのゴキちゃんが出てきたら……禁煙できちゃうかも知れませんね、そのショックで……。
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