3.「ノロウィルス」に感染してしまったら
ぬいぐるみなどの上で吐かれてしまった場合、洗濯可能なものはできるだけ速やかに洗い、85℃以上の熱湯に1分以上漬け込みます。可能であれば乾燥機にかけると安心です。洗濯できないものは充分拭き取った後に、ビニール袋に密閉して、1ヶ月以上開けないようにしましょう。嘔吐物の臭いが気になる場合には、密閉の際に重曹をふり入れておくと良いでしょう。 |
ノロウィルスの主な感染経路は「経口感染」です。ならばマスクで口を塞ぎ、手洗いを励行し、生の貝類の摂取を控えれば万事OKのように思われます……が、どんなに気をつけていても、外食の際にノロウィルスに汚染された食べ物に当たってしまうこともあり得ます(生野菜サラダ、サンドウィッチなど、加熱されずに供される食べ物)。
また、公共スペースのじゅうたん・カーペットなどに付着したまま乾燥した嘔吐物を吸い込んでしまうことによる「空気感染」(塵埃感染)も指摘されています。
基本的に、感染してしまった場合、
・嘔吐物は密閉して廃棄
しましょう。トイレで嘔吐・下痢した場合でも、飛まつが床や壁やドアノブに付着している可能性があります。
トイレ掃除に使用する雑巾などは、再利用するものではなく、使い捨てのお掃除シートやウエスなどが適しています。これらも使用後、密閉して廃棄しましょう。
廃棄の際に、「次亜塩素酸ナトリウム」をかけておくとより安心です。
ただ、この掃除の際に注意しなければならないのが、、通常の感覚であれば、消毒用エタノールや逆性石けん(病院などで殺菌消毒の為に使われているような石けん)を噴霧したり、これで手を消毒したりということが有効と思われますが、「ノロウィルス」に対しては効果がみられないということを認識しておかねばならないということです。
消毒を意図するのであれば、以下の洗濯同様、「次亜塩素酸ナトリウム溶液」を使用しましょう。ただし、床材や建具によっては、腐食したり変色したりする恐れがあるので、よくよく考えて自己責任において使用してください。
・嘔吐物の付いたものを洗濯する場合には、予洗いの後、次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素濃度約200~1000ppm)に漬け込んで消毒した後に、洗濯
・洗濯物は部屋干しを避け、また屋外に干すよりも乾燥機を使い高温度で乾燥させたい
・乾燥機が無い場合には、乾燥後、スチームアイロンをかけると安心
次亜塩素酸ナトリウムを使わない場合、
・85度以上の湯で、1分間以上の熱水洗濯、後に乾燥機にて乾燥
が有効です。
洗濯できない、または取り外しの難しい畳の上やカーペット上に吐かれてしまった場合には、
・手袋をして充分拭き取った後、乾燥してしまう前に熱湯をかけて1分以上放置
後に念入りに拭き取ります。
熱湯をかけることも、次亜塩素酸ナトリウム溶液をかけることも都合でできない場合には、
・嘔吐物が乾燥した後にも飛び散らないよう、拭き取った場所の上にビニールシートなどをかけて密閉
するようにします。このまま、ウィルスが死滅するまで、1ヶ月以上保存しましょう。
※「ノロウィルス」に感染した家族との、手拭タオル等の共用は止めましょう。
※「ノロウィルス」に感染後、症状が治まっても、その糞便にウイルスは3日から1週間ほどもの間、排出され続ける点に注意しましょう。
ノロウィルスに罹った家族のいる住まいのトイレ掃除、また、ノロウィルスに家族の誰かが罹患した住まいへの訪問(特にトイレの使用)の際には、充分な手洗いと清潔なタオルでの手拭きなどを心がけましょう。
【参考サイト】
●厚生労働省 「ノロウイルスに関するQ&A」
「ノロウィルス」に関する基礎的な情報を得たい人は必読。いたずらに恐れず、正しい知識で対策を講じましょう。
●丸石製薬株式会社 「ノロウィルス -概要と消毒・感染対策-」
丸石製薬株式会社によるサイト。「ノロウィルス」の詳細な消毒方法が記載されています。
●国立感染症研究所 感染症情報センター 「ノロウイルス感染症」
「ノロウィルス」に関する疫学的データが網羅されています。突っ込んだ情報を得たい人に。
【AllAbout ノロウィルス】
●All About[ノロウィルス特集]