晴天の霹靂的ニオイ問題!
「アッ! と思ったときには愕然としましたね」
と語るのは昨年、某私鉄の駅前(徒歩3分)マンションを購入したAさん。周囲は繁華街ながら、ちょうど南側に線路と駅前ロータリーが位置するため、日照や眺望の心配はないと判断しての購入だったといいます。
「夫婦共働きだから、駅前の利便性がどうしても欲しかったんですよ」
そしてその問題は、入居後はじめての週末、降りかかったのです。
「午前中、早い時間に目が覚めたので、うれしくて窓を開け放ったんです。北と南の」
そう、爽やかな空気を部屋中に通すつもりでした。
「それが…。吹き渡るのは吹き渡ったんですが…。何ともいえない気持ちの悪い、油のニオイが…。揚げ物のニオイですね。ちょうどうちの眼下にあるんですね。排気口が…。アッ! ですよ」
揚げ物が、これほどまでにパンチのある悪臭だとは、想像もしていなかった、といいます。
「一番臭うのは隣のスーパーの排気口でした。お惣菜の揚げ物を揚げる時間帯がとくに酷いのです。でもそれ以外にも、ニオイが気になりだしました。濃いタバコの臭い、混じる酒臭さ。朝の生ゴミ臭。雨の後にはドブ臭さも加わります。それ以来うちでは、できるだけ窓は閉めて、空気清浄機を回すようにしているんですよ」
「マンションの営業マンから、臭いの話しなんか全然なかった。駅前なんだから臭って当然だからですかね?」
都市部、とりわけ駅前など繁華街の“商業地域”に建つマンション。その利便性は何ものにも代えがたいメリットです。しかしあまり大きな声になりづらいだけで、Aさんのような悩みに静かに耐えているケース自体、「よくある話」なのかも知れません。実際ガイドの自宅周りも午前中は激しい「豚カツ臭」に満ちています。豚カツ屋さんの隣だからです。悪阻の頃には、午前中家から一歩も出られないほどのダメージを受けました。そんなこと、言われても豚カツ屋さんも困るでしょう…
でも…
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