買うのはトクかソンか?
街を知るために『試し住み』
はじめに
ここ数年の少子化報道で忘れられつつある、“かつての子どもたち”『第二次ベビーブーム世代』がいま、徐々に住宅購買層に加わってきています。いわゆる『団塊の世代(1947年~1949年生まれ)』の子世代に当たる、団塊ジュニアが含まれる『第二次ベビーブーム世代』は1970年代初頭生まれ。今年(2002年)時点で32歳から27歳ぐらいまでの年齢に達しており、学校卒業~就職~結婚~出産~子育てといったプロセスをいま、着々と辿りつつあります。実は私自身、第二次ベビーブーム世代のひとり。配偶者もそうなのですが、この年代は、これまでの人生ひたすら「競争・競争」でした。産まれた時からベビーラッシュ、小学校はマンモス化・学校分割相次ぎ、中学校は校内暴力全盛期。高校・大学受験時は新設校ラッシュにもかかわらず常に「過去最高の」競争率、加えて就職時は「超氷河期」でした。そんな「ちょっと、冷めていて、疲れている」世代感。「苦労して入った会社を、3人に1人は1年以内に辞めていく」と数年前報じられていたのも、この年代です。
それゆえにか、大人になった第二次ベビーブーム世代たちは、今話題の「なごめるカフェ」や、心地良く整えた「くつろげる自分の部屋」をこよなく好んでいます。同様の流れで、なかなか住まい手の側に立ってくれないお仕着せの賃貸住宅ではなく、家族を持った後で住まう家にもこだわりをもってゆったり暮らしたい、という傾向があるのではないかと、この世代のひとりである私は推察しています。
さて、しかしこの年代はまだ若く、「家を探す、買う」と言っても、今ひとつ実感がわかなかったり方法が分からなかったりする人のほうが多いのではないでしょうか。手管に長けた営業マンから見ればまだまだ子どもにさえ見えかねないビミョウな年代です。
同年代のシンパシーと問題意識を共有しつつ、今回からシリーズとして少しずつ、『第二次ベビーブーム世代』に向けた住まい探しの手引きをお手伝いしていきたいと思っています。私だけの力では及ばない部分も多々あるかと思います。そこで、住まいに関る研究や設計、施工、販売に携わっている方、既に家づくりや購入の経験を持っている方(そこで得た教訓やよろこび)のご意見などを、広くいただければと思っています。勿論、『第二次ベビーブーム世代』でない方のご意見・ご指南も大歓迎です。
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