「地域」によってはわが家の前がマンションに?!
第一種低層住居専用地域、商業地域…なんていう言葉の意味、ご存知ですか? 分譲マンションや一戸建て住宅を探したことのある方なら、チラとでも聞いたことがあるかもしれませんが、なかなか日々の暮らしには馴染みのない種類のコトバです。じっさい賃貸探しには、ほとんど関係なかったりします。けれど、「もし、あなたの家のド真ん前に、でっかーーーいマンションを建てられてしまったら?」なんていう時にはメチャクチャ重要なのです。
ここに土地があり、その上に建物を建てる。となると、どんな小さい家でも、近所・近隣には何らかの“影響”を与えることになります。大きい建物なら尚更。日陰の問題、うるささの問題、周囲に集まる人の問題、臭いの問題等々、影響の種類はさまざまです。
「都市」だから「用途」がある
また、人がたくさん住むような地域ほど、その影響による反響はとても大きいものになります。そういうわけで日本では、大都市やその周囲の地域を【都市計画区域内】とし(それ以外の地域は【都市計画区域外】)、【都市計画区域内】を更に、【市街化区域】と【市街化調整区域】と【未線引都市計画区域】とに分けました。その【市街化区域】の中の1項目に【用途地域】というものがあるのです。
【市街化区域】というのは既に市街地になっているもしくは概ね10年以内に市街地にする予定があるような地域のこと。つまり家・建物を積極的に建てようとする土地にのみ【用途地域】というのは関係してくるものなのです。(農村部などの【市街化調整区域】では用途地域は問われないのです)
用途・三つの性格
例えば駅前にあるべき建物とは、どんな建物でしょうか? 普通の住宅があるよりは、デパートやスーパー、娯楽施設などがあったほうが、多くのひとが利用する駅の利便性をより高めることができますね。しかし閑静な住宅街に、いきなりパチンコ店ができたりするのは困ることです。また工場街の隣りに小学校があったりするのも、交通上・健康上不安だったりします。
人がたくさん住む地域には、ある程度の『住み分け』が必要になってきます。ふさわしい地域に、ふさわしい建物を。その定めであり制限が『用途地域』なのです。その用途は大別して3つに分けられます。【住居系】、【商業系】、【工業系】。そしてその分類を更に細かくすると、12の用途地域に分けることができるのです。
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