第3の不幸・「こわいひとたちと、パンツ問題」
ちょうどその頃でした。フニワラ夫妻の隣家(ベランダ通路沿いに隣家のマドが接しているのです)の住人がいきなり夜逃げしました。
フニワラ(妻)は夕方軽トラックに家財道具を積んでどこかに去って行く隣家の住人を目撃しています。
その後、しばらくの間フニワラ家のリビングの前とか玄関先に、こわいひとたちがうろつくようになったのです。その上よく家を間違えられては、凄まれたり怒鳴られてみたり。ヒーこわいよう。
でも、そのこわいひとたちの鼻先にはいつも、パンツなどがぶら下がっている状態でした…。こわいけど、なんだか…マヌケ…。
そうです! パンツなのです。
この家の洗濯物は、玄関脇・リビング窓の前に吊るすように金物がぶら下がっているつくりでした。
非常に日当たりや風通しはいいのです。ただ誰も来ない日はいいのですが、簡易保険の集金のおじちゃんや宅配便のヒトが来るときには、たいへんに気まずい思いを余儀なくされたのです。
やはり、若妻フニワラ(妻)にとって、下着がヨソサマの目にバッチリ見えちゃう場所に、どうどうとぶら下がっている状況というのは具合のいいものではありませんでした(かといって晴れた日にも部屋干しするのはイヤ!)。
また布団なども、同様に通路(兼・バルコニー?)に並べて干しておりましたので、洗濯物と布団が鎮座ましましている状態では、来客の通行もままならないのでした。
う~~~変な家!
第4の不幸・「うるさい問題」
それは毎朝7時半きっかり。
床下から重低音が「ボン・ボン・ボン!」と響いてきます…。
「何?何だ?」とフニワラ(妻)、当初はビックリ! 寝ぼけながらいぶかしんでいました。
どうやら、階下の家で大音量のクラブミュージックやロックを、目覚まし代わりに流している模様なのです。
当時8時起床だったフニワラ家の安眠、大妨害。でも階下の住人は大家さんのお嬢さんで、これが文句を言いづらい~。
また、このマンションは商店街に面して建っているもの。
平素は、やや過疎化して人通りも少ないこの商店街も、年に一度のお祭りの晩だけは、笛や太鼓や「納涼演歌ショー」などの催しで、おそろしいほどの賑わいに包まれてしまうのです。
祭りの特設ステージは何故か、毎年フニワラ家の真下に設置されます…。
お腹に響く『東京音頭』の調子ハズレの太鼓! しかも4時間ノンストップ…! 一生忘れません。いえ、忘れるものですか!
そして…。
夜逃げをした後の隣家には程なく可愛らしい奥さんと、精悍なダンナさんの若い夫婦が越してきたのですが。
これがしょっちゅう、時に昼間から、「酒持ってこいサケ~~~!」「フザケンナこの野郎!!!」「ギャー!」等、激しい夫婦喧嘩をしていて。
ある晩「これは…殺したか?!」と思われるような叫びが…。(生きてましたけど…)。
ある意味、壁の薄さを実感させられた出来事でした。マンションなのに…。