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「客室」から「寝室」へ進化する快眠ホテル

都心のホテル宿泊客の6割以上が地元客だというデータが首都圏・関西圏にある。ホテルに「住む」人とは一体どんな人たちなのか? また、「客室」が「寝室」に進化する快眠ホテルが人気というトレンドを追った。

村上 実

執筆者:村上 実

ホテルガイド

都市部で暮らす人ほど快眠を求めている?
面白いデータがある。首都圏のホテルの宿泊客がどこから来ているかというデータであるが、なんと都市ホテル(日本ホテル協会加盟ホテル)では、62%の宿泊客が首都圏在住者という事実である。これと同じようなデータが、実は京阪神地区にもあり、ほぼ同様の数値を示している。

何故、首都圏に住んでいる方々が、わざわざ東京のホテルに泊まるのか。これは案外と究極のテーマかもしれない。「ホテルの魅力とは?」というテーマにおける最大の関心事である。

東京に住んでいる方々に、「東京のホテルに泊まったことがありますか?」と訊ねると、多くの方々は、「レストランの利用はあるけど、わざわざ泊まったりはしない」、そういう回答が圧倒的に多いはず。ところが、これがある属性を持つ方々に絞って同じ質問をしてみると、「当たり前、ホテルに住んでいるような感じ。普通の月でも最低1週間はホテル住まい」という回答も珍しくない。

ホテルに「住んでいる人」とは?

では、一体どういう人達がホテルに「住む」感覚でホテルに宿泊しているのか。ミュージシャンやタレントさんは多い。コンサートともなれば2週間ぐらいの長期滞在が普通のようである。他にもホテルを「住まい」にする人種はいっぱいいる。昔は“ホテルに缶詰にされて”という言葉があったように作家は多い。やはり今でも締め切りギリギリまでホテルに缶詰されることで仕事に集中するということがあるようである。

ANAインターコンチネンタルホテル東京は日曜洋画劇場がオンエアされるテレビ朝日からも近かった
関西の作家の藤本義一先生は、東京のホテルニューオータニが大のお気に入りで、遂には自宅にホテルニューオータニと全く同じ仕様の“客室”を作ってしまったほど。また映画評論家の淀川長治さんはANAインターコンチネンタルホテル東京(旧東京全日空ホテル)に住み、最後はホテルから棺の形で“チェックアウト”したというエピソードもある。

TVプロデューサーでタレントのデーブ・スペクター氏もホテルを住まいにしている有名人の一人。ヒルトン東京に滞在中にお部屋を訪ねたことがあるが、2部屋をキープして、事務所と自宅で使い分けていた。

まだまだホテルに住む人々はいる。ガイドもその一人。ホテルジャーナリストという仕事の関係もあるし、一方では、単なるライフスタイルという理由にもよる。新しくオープンするホテルは原則泊まるようにしている。ホテルのインスペクションというビジネス面での強制力もあるし、いろいろなタイプのホテルを泊まり歩くことで、それぞれのホテルの独自性を発見することも出来る。

次のページでは、従来の「客室」から「寝室」に進化する、快眠ホテルというトレンドを紹介する。
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