ホテル/ホテル関連情報

インスペクターとしてホテルを愉しむ

一体どんな項目でホテルの評価が行われているのか。ホテルインスペクションの裏側を、2007年のオープン以降話題のホテルニューオータニ東京「エグゼクティブハウス禅」を例にとり解説する。

村上 実

執筆者:村上 実

ホテルガイド

「顧客満足」がホテルブランドに直結

このところ、ガイドに「ホテルインスペクター」という仕事がやたらに舞い込んでくる。直訳すれば、「ホテル調査員」と言ったところか。実際にどういう仕事かと簡単に言えば「ホテルのチェック」である。ただし、これは言うほどに簡単な仕事ではない。

ホテル業界には「ホテルインスペクター」なる職業があって、世界的なホテルのコンソーシアム(共同組合のような集まり)として著名なLHW(ザ・リーディング・ホテル・ザ・ワールド)などは新たに加盟ホテルの申請があると、このホテルインスペクターなる人物を該当ホテルに派遣し、いろいろとLHWの加盟ホテルに相応しいホテルをチェックする。

これは世界的な話で、現在はどこのホテルでも自社のサービスレベルやハードがどのような状況にあるかを常に定点観測している。「顧客の満足度」こそが即ホテルブランドに直結するという図式である。

2007年11月の発売時には都内の書店でも売り切れが続出したミシュラン日本版
では、ホテルインスペクターとは、どのような仕事をしているのか。また、どのようなキャリアを持った人がこの仕事を担っているのか。2007年に刊行され賛否のあった『ミシュラン日本版』でも、誰がインスペクターであったのかが話題にあがった。確かに、サービスや料理の良し悪しの判断は個人差がある。誰もが認めるような人格と経験、業界への理解というものがあれば尊敬の対象になるし、その逆であれば「あんな人に評価が出来るのか」という具合にもなる訳だ。

不肖、ガイドはホテル・レストラン業界の専門誌に携わって30年余、この間には国内外のホテル・レストランを1000軒単位で取材をしてきた経験がある。

こうしてたくさんのホテルやレストランを取材していると、段々に良い店を嗅ぎ分ける独特の“勘”のようなものが育まれる。時にはハード面で、また時にはオペレーションでの、そして最後にはやはりホスピタリティの世界であるから人に行き着く。感じの良い、スピーディーなサービスマンやホテルマンがいれば、全てが心地よく感じられるというものなのだ。

次のページでは、評価されるべきホテルマンの電話応対例をご紹介しよう。
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