うまくない画素混合……
FinePix F50fdではISO1600までは1200万画素で撮影が可能となっているが、それ以上の高感度では画素混合という技術を導入している。特にISO6400では300万画素に減らす、つまり4つの画素をひとつのものとして扱うというものだ。多くの場合、画素混合を行うとよりキレイな画像が得られるのだが……。
今回のFinePix F50fdの場合はさほどうまく働いていないというのが正直なところだ。
詳細は次ページの実写画像から見ていただきたいが、ISO6400は非常用として使うのも憚られるクオリティである。おそらく、CCDをデザインする時点で画素混合を機能として導入しなければ、うまく作用しないものなのかもしれない。
▲ISO6400の実画像から原寸切り出し。正直、厳しい画質だ。 |
たとえば松下電器製のCCDでは動画用に9画素混合を行えるようになっているものがあり、これは高感度にかなりの効果があった。
このCCDを搭載したDMC-FX8などの動画は暗所でも恐ろしいほどに明るく撮影できたのだ。
その他のスペックからも見えてくるもの
その他のスペックなどをざっと見てみると、こちらの面でも他社の1200万画素機と同等の性能を持っていることが分かる。シャッター速度優先、露出優先AEモードなども搭載し、業界でも初期から導入されていた顔認識機能はさらに高機能になっている。
▲顔認識のデータは画像にも埋め込まれており、この顔キレイナビボタンを押すと、認識した顔をズームで見ることができる。 |
今回の顔認識機能はほぼ横顔でも認識できるようになっているなど、かなり強力になっている。
いくつかのパターンで実験してみたが、かなり認識精度は上昇している。ただ、完全に横を向いてしまうとやはり認識は難しいようだ。
また、2.7型とやや大型化された液晶ディスプレイは初期設定の『節電』モードではかなりクオリティが低い表示しかされない。
炎天下では液晶ディスプレイがかなり見にくかった。そこで、ふと「たしかモニターパワーアップってあったよな」と思い出して使ってみたところ、かなり改善された。
▲炎天下などで液晶ディスプレイが見にくい場合はパワーアップに設定を。 |
また、このモードでは液晶ディスプレイの表示画像が気持ちが悪いほどに追随してくる、異様なまでになめらかな表示となる(注:褒めてます)。
この機能は必要な時のみに使うようにして、普段は節電モードにしておくというのが賢い使い方だろう。
結論:ごくごくフツーに優秀な1200万画素機
FinePix F30という異形とも偉大ともいえる前機種があったために、FinePix F50fdはスペック的に後退しているように受け止められてしまうかもしれない。しかし、それは間違った解釈である。
FinePix F50fdを使ってみた感想としては「ごくごく普通の1200万画素機になった」といえるだろう。
これを「なってしまった」と捉えるか「なれた」と捉えるかはユーザーによる。
返す返すもFinePix F30のコンセプトが市場に受け入れてもらえれば……とは思うのだが、それも今となっては詮無いことだろう。
ただ、他社の同クラス製品とほぼ同等のスペックになったことは間違いない。
これら1200万画素機は低感度で撮影した画像あればA3でプリントアウトしてもデジタル一眼レフに遜色のないクオリティが得られる。
そういった高画質を期待できるコンパクトスタイルのデジタルカメラとして、FinePix F50fdは扱われていい商品だ。
デジタルカメラレビュー&アイテムレビュー関連記事リンク | EXILIMケータイはどこまでEXILIM? | 勃発! 1200万画素デジカメ大戦! | オリンパス E-510 ベータ版 実写画像速報 | コンセプト満載 Cyber-Shot DSC-G1レビュー | 最薄最小最軽量 オリンパス E-410 レビュー |