ニコンの本気なコンパクト COOLPIX P5000レビュー
デジタル一眼レフがこれほど安くなるまでは高級コンパクト、もしくは高機能コンパクトというジャンルが確立されていた。往年の名機COOLPIX950や、あるいはPowerShotGシリーズ(G5レビュー)がそれに当たるだろう。EXILIM EX-P600(レビュー)もそのあたりにラインナップされてもいい機種といえる。しかし、EOS Kiss デジタルが出てからというもの、デジタル一眼レフが廉価になってしまってジャンルごと消えてなくなってしまったも同然となってしまった。
COOLPIX P5000はそんな高級・高機能コンパクトスタイルの血脈を受け継いでいるデジタルカメラだ。
デジタル一眼レフを持ち歩くことは難しいが、画質もあるていどは確保したいというユーザーにどのように受け止められるであろうか?
COOLPIX P5000
市価 44,800円
07年03月16日発売
COOLPIX P5000を最初に見た瞬間に思い出したのが、COOLPIX 8400という高級コンパクトのフォルムだ。もっとも、COOLPIX 8400は『コンパクト』ということがはばかれるほどの重量級であった。COOLPIX P5000は、8400をざっとを二回りほど小さくしたといったところだろう。
本機は市価が4万~4万5千円ていどと『高級』とまではいかないが、昨今のコンパクトスタイルのデジタルカメラとしては、そこそこ高めの値付けがされている。
高級コンパクトの条件とは?
さて、高級コンパクトであるか否かの違いは、まずPモード以外にシャッター速度優先、露出優先AE、マニュアル撮影ができることが必須条件として挙げられるだろう。COOLPIX P5000はこれらをしっかりとクリアしている。もうひとつできればクリアしておきたい条件として、外部ストロボに対応しているということを挙げておきたい。
▲外部ストロボ(スピードライト)に対応したホットシュー。 |
外部ストロボを使えると、さまざまなシーンにおいて調光がかなり楽になることが挙げられる。
これらをクリアしているCOOLPIX P5000だが、本当に高級コンパクトと呼べる製品になっているだろうか。そのあたりを見ていくとしよう。
まずはスペック。CCDは1/1.8型の1000万画素。昨今のハイエンドコンパクトに多く搭載されているものだ。
もちろん、光学ファインダーも搭載している。
▲光学ファインダーも必須条件のひとつか。 |
レンズは光学式手ぶれ補正機構を搭載した3.5倍ズーム。焦点距離は36-126mm相当。流行の広角レンズではないが、これは光学的に無理をしていないとも受け止められる。
広角に対応するにはレンズを大きくする(必然的に高価になる)必要があるのだが、これをコンセプトとして避けたのではないかとも思われる。
さて、こちらの一覧にあるように、ニコンは春モデルとして投入する製品7機種中5機種で機械式の手ぶれ補正機構を搭載してきている。
▲36mm相当スタートの3.5倍ズームレンズ。ニコンの手ぶれ補正機構であるVRを搭載。 |
COOLPIXブランドへ施すというテコ入れの一環なのだろう。現在、日本市場ではもちろんのこと、特に北米市場では手ぶれ補正機構が搭載されているか否かでかなり大きな差異があるという。
まずは、そのあたりをじっくりと見てみるとしよう。
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