規定路線だった撤退……
αシステムは生き残るといえども、コニカとミノルタが写真事業から撤退するというのは寂しいものだ。筆者も10年以上もの間、フイルムにおいてαシステムを使ってきた。一抹の寂しさを感じるが、その一方で「やっぱりか」という感もぬぐえない。
去年から多くのαシステム用のレンズが生産中止になってきた。
α-Sweetデジタルなどが好評であったにも関わらず旧型のレンズが生産中止になり、新しいレンズの発表はされずにきた。
そのころからすでに「部分撤退か完全撤退か」ということが囁かれていたのだ。撤退するという方向性はすでに確認され、話題となっていたのは撤退の規模だけであったともいえる。
そういった意味で、今回の撤退の知らせにおいても「やっぱり完全撤退だったか」という感想を残しただけであった。
CCDシフトはどこに行くのか
もうひとつ気にかかるのは特許の行方だ。特にCCDシフト方式による手ぶれ補正機構は、光学式の手ぶれ補正機構を持たないメーカーにとって垂涎の的といえる。
▲CCDシフト方式による手ぶれ補正はかなり強力だった。 |
撤退によってコニカミノルタにとっては自社製品用に特許を囲い込む必要がなくなった。特許資産の他社への売りこみがしやすくなるはずだ。
そういった意味ではコニカミノルタの財産は、まだまだデジタルカメラ業界に残り続けるといえるだろう。