前機種で使えなくなったバッテリーが……
バッテリーライフの進歩にはかなり驚かされた。プレレビューでも書いたことだが、CIPA準拠で200枚から300枚と1.5倍もの上昇を見せている。しかも、バッテリーの容量は変わっていないのだ。
画質が変わったことと同様に、画像エンジンがアップデートされて省電力化が図られていると見るべきだろう。
▲バッテリーサイズは変わらないのに、撮影可能枚数は1.5倍に増えている。 |
このバッテリーライフの伸び代を如実に表すエピソードがある。
EX-S500との比較撮影をしていた際に、S500側のバッテリーが切れてしまったのである。しかし、ふと思いついてEX-S600とバッテリーを入れ替えてみた。
切れたはずのバッテリーだったが、その後30枚ほど撮影することができたのだ。
EX-S500では電圧が足りなくなったと判断されたバッテリーでも、EX-S600ではまだまだ使うことができるというわけだ。
バッテリーライフの大幅な伸びが実感できた瞬間であった。
デジカメ動画は気楽に撮ろう!
もうひとつ、EX-S600では動画を気軽に撮影できるのが売りだ。こういう話をすると、必ずといって「ビデオカメラでいいのでは……」といわれる。しかし、考えてみてもらいたい。
パーティーや2次会のカラオケの席でいきなりビデオカメラを出されたらどうなるだろうか。筆者であれば、その人との付き合いはできるかぎり避けさせていただきたい。
オタクっぽいからどうこうというより、その空気の読めなさに対して。
一方、デジカメでの動画撮影はちょっとした撮影の延長であるので、違和感はより少ないはずだ。
また、巻き戻しといったものも必要なくその場ですぐに見ることができるので、パーティアイテムとしても使用できる。
また最大で数分の、それもちょっとした撮影であればビデオカメラを持ち運ぶのもばかばかしい話だ。
デジタルカメラによる動画撮影は記念になる映像を記録するではなく、日常の一コマを切り出すために使うべきだと筆者は考える。
▲左右ボタンに任意の機能を振り当てられるので操作感はなかなか良好。 |
そんな中、電子式とはいえども手ぶれ補正機構が追加されたのは大きな利点だろう。
特にEX-S600のようなスーパーコンパクトでは片手で撮影するというシチュエーションが多くなる。
正直なところ、光学式の手ぶれ補正に比べると電子式のそれによる効果は小さい。しかし、それでもあるとないとでは大きな違いになる。
今回はファイル容量制限で実際の際をお見せすることはできないが、細かい手ぶれが除去されてそこそこ見やすくなっているのは実感できた。
前機種のEX-S500はスーパーコンパクトであることや質感を進める理由としていたが、EX-S600は画質でも長足の進歩を遂げ、かつバッテリーライフをCIPA準拠で300枚と大幅に伸ばしている。
この冬におすすめできるデジカメのひとつとして挙げることができるだろう。
EXILIM EX-S600 スペック&実写画像へ
・Page1 実は画質も向上していた ・Page2 EX-S500と撮り比べてみたら…… ・Page3 前機種ではつかなかったバッテリーが!? ・Page4 EXILIM EX-S600 スペック&実写画像 |
■関連ガイド記事
・デジタルカメラレビュー 生まれ変わった超薄型機 EXILIM EX-S500
・デジタルカメラプレレビュー シャイニーな超小型機 IXY DIGITAL L3
・デジタルカメラレビュー 薄型でも高感度対応 Finepix Z1
・どの電池がもっともデジカメ向きなのか! デジタルカメラ電池耐久テスト!