900万画素の功罪
900万画素のハニカムCCDを搭載したことで、Finepix S9000はレンズ一体型では最高の解像度を誇っているといっていい。
しかし、その一方で最大解像度で最低圧縮にした場合、1枚の画像ファイルが4.5MBという一体型とは思えないファイルサイズになることにも注意したい。
同時にメモリーカードを購入する場合は、予算の範囲内で最大のものを購入しておくべきだろう。
そして、もうひとつ。900万画素という解像度がひどくネガティブに働いているシーンがある。
900万画素で撮影した画像を再生しようとすると、とにかく表示が遅いのだ。
1枚につき1秒以上、感覚的には「あれ……壊れた?」と思うころに表示されるといったところだ。
500万画素で撮影した画像は問題なく再生できることから見ても、900万画素という膨大な画素数が再生においてブレーキになっていると考えてしまっていいだろう。
これほど再生に時間のかかるデジタルカメラは久々に見たほどのレベルだ。
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内蔵フラッシュを使うととたんにテンポが悪くなってしまうのだが……。 |
実に使いやすい撮影感覚
ただ、現状での不満点はこの再生速度が遅いところと、内蔵フラッシュの充電が遅いというくらいのものだ。
それ以外の点では、おおむね楽しめて使えるデジタルカメラであるといえる。
第5世代ハニカムCCDを搭載しているので、暗所性能も高い。Finepix Z1ではやや後退した感もあった暗所性能だったが、Finepix F10と同等かやや劣るていどであるといえるレベルだろう。
ISOは最大で1600まで選択できるが、Finepix F10と同様にこれは非常用と考えたほうがいいだろう。
ISO400は常用できるレベル、ISO800以降は非常用……といった使い方となるはずだ。
また、液晶ディスプレイが可動するので、ローアングルからハイアングルまで対応している。左右には展開しないが、ローアングルで使えるのがなかなか便利だ。
1.8型と小型ではあるが、マルチアングルであることの魅力とトレードオフといえるだろう。
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液晶ディスプレイは上下に展開する。 |
また、FinepixといえばxDピクチャーカードだが、Finepix S9000では高画素化されたこともあってコンパクトフラッシュやマイクロドライブが利用できるダブルスロットを採用したのも注目点だといえる。
6GBのマイクロドライブを使えば、最大解像度で最小圧縮でも1300枚以上は撮影できるというわけだ。
マイクロドライブを使うのであればMotionJPEGを利用した最大解像度のVGA動画であっても、1時間30分ほどの撮影ができるのである。
もちろん、10.7倍の手動ズームは動画撮影時にも有効なので、動画撮影用としてもなかなか使えそうだ。
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ダブルスロットのおかげで大容量メモリーカードが使用できる。 |
ざっと使った中では、非常に使いやすいデジタルカメラとして仕上がっているというのが印象だ。
もう少し使いこんで、本番のレビューを書き上げたいところだ。
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Finepix S9000 早だし実写画像
(クリックで大画像を表示します。撮影モードは9M/Fine。ファイル容量上限の関係で再圧縮を施しています)
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お台場の夕焼け
(F8.0 1/950秒 ISO200)
子供たちが貝を探しているシーンが印象的だったので、一枚。バラ
(F3.7 1/110秒 ISO200)
カラーモードをクロームとスタンダードで撮り分けてみた。
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日比谷公園の呑気ネコ
(F3.4 1/58秒 ISO100)
毛並みなどを見ても、やはり解像度は高いことがわかる。テンプレコーヒーカップ
(F3.1 1/8秒 ISO400)
いつものようにホワイトバランスで撮り分けてみている。
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