●クレイドルはやっぱり楽!
EXILIMシリーズの定番となっているクレイドルによる充電/PCへのUSB接続は今回もそのまま活かされている。
販売価格を低く設定するために多くのメーカーがクレードルの同梱を避ける傾向にあるが、きっちりとユーザーの求めてくるパーツを付属させてくるあたりが、カシオの昨今の勢いのよさを感じさせるところだ。
また、EXILIM ZOOMからはクレイドルに設置した際に液晶ディスプレイが見える配置となっている。さらにクレイドルのPHOTOボタンを押すだけでスライドショーがスタートする。
これも大きな2型液晶ディスプレイを生かしたつくりといえるだろう。
やはりクレイドルの存在はデジカメ初心者にとってありがたいものとなるはずだ。 |
●あえて欠点を挙げるのであれば……
あえて欠点を探すのであれば、連写性能が挙げられるだろう。
起動時間は約2秒と3倍ズームを搭載しているデジカメの中ではなかなかの成績。そして、連写性能も撮影画質をNormalとしておけば1.7秒ほどと、かなりの速さである。
ところが、撮影画質をFineにしたとたん、EXILIMらしさは消えうせる。
いきなり撮影インターバルが5秒を超えるのだ。これは単焦点のEXILIMからそうだったので、シリーズとしての仕様ともいえるのだが……。
『EXILIM ZOOM』という新しいシリーズになったところで解消されるかと期待していたので、かなり残念であった。
基本的には撮影画質はNormalから動かさずに撮影するべきだろう。
そして、もうひとつ。
筆者の手はかなり大きめであるため、構えているときに十字キーに触れてしまうことが多々あった。
この十字キーの配置は液晶ディスプレイの大型化とのトレードオフとなっているので、やむをえないかもしれない。
購入する前に自分の持ち方ではどうなるか、確認しておいたほうが無難だろう。
筆者は撮影中、この円形のボタンを右手親指で押してしまうことが多かった。 |
また、全ページでも少し書いたことであるが、2型という大きな液晶ディスプレイを持っているにも関わらず、その表示内容は約8万画素となっている。
他社のデジタルカメラが1.5型でも約12万~約13.5画素のものを採用してるのにくらべて、やや粗が目立つ。
まあ、これは「並べて比べてみればわかる」というていどであって、それ以前に2型という大きさにメリットがあるのではあるが。
●売れ筋という売れ筋をすべて詰めこんだデジカメ……
3倍ズームレンズ搭載、クレイドル同梱、2型液晶ディスプレイ搭載、そしてEXILIMシリーズというネーミング、豊富なベストショット機能──これでもかとばかりに売れる要素を注ぎこみ、大成功したことはまだ記憶に新しい……というより、いまだに今年のベストセラーである。
クレイドル同梱ということもあって、同クラスのデジタルカメラよりも高価格であるにも関わらず、しっかりと売れている。
小ささはOptio Sに負け、防滴という機能ではμシリーズに分があり、IXY DIGITAL 30よりも高い。
であるにも関わらず、いまだにEXILIM ZOOMが売れているところに、いまのカシオの出す製品のバランスのよさが感じられる。
非常によくできた製品だ。
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・EXILIM ZOOMの秘密を探せ!
・売れ筋を詰めこんだデジカメ!
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