比較検討された4つの案とは?
ラスベガスでも鉄道を敷いて成功。各地の成功例にホノルルもあやかれるのか……。 |
1.「No Build」(建築工事なしプラン)
既存のバス網の小規模な拡張とその他のプロジェクト。
時間制限付き高速車線の増設(通称ジッパー・レーン)や通勤者用
フェリーの運航など
2.「Transportation System Management(既存の交通機関の拡張運営)
既存のバス網の大規模な拡張と低コストの新施設の建設(乗り継ぎ
センターなど)
3.「Managed Lane(利用者制限付き車線の建設)」
バス、相乗り車両、及び道路使用料金を払った運転手のみの車両
専用の 2車線高架幹線道路をワイアワの交差点からイヴィレイの
区間に建設
4.「Fixed Guideway(鉄道システムの構築)」
カポレイ地区とハワイ大学マノア校間を結ぶ高収容の高速輸送機関の構築
今回発表された検討結果では、結局のところ、1から3までのすべての案に対して、ハイウエイの増築などの工事が必要で、それですら一部地区のみがスムーズになるだけで、ハイウエイの合流エリアや、ハイウエイを降りてからの街の交通渋滞緩和にはなっていないと判断。
いずれの場合にも莫大なコストと維持費が必要なことから、決して費用面だけで鉄道案を否定することはできないとしています。
ハワイ鉄道計画は可決、実施されるか?
ホノルル市やプロジェクト・チームは、11月に各地で公聴会を開き市民の声を聞いています。最も問題になっているのは、短い方のルートであっても建築費に4200億円が必要として、消費税の値上げが提案に含まれていることです。まだ駅の数もプランの詳細も決まってないのに、コストだけが先走り、いきなり2007年1月から消費税の値上げを始めるのはおかしい、という意見ですが、「とにかく先に進めないと、連邦政府の助成金もおりなくなるので、とにかくスタートすることが先決」とする意見もあります。今すぐに決定したとしても、着工できるのは2009年。部分的な開通が2012年で、全線開通は2018年という長期のプランになります。
このプロジェクトのために、日本にも視察に出かけたホノルル市長のハネマン氏は、「14年前、多額の助成金があったにも関わらず、まったく同様のプランが議会で否決され、結果、このような渋滞に市民が苦しんでいます。今から14年後、我々は家族や次世代のために正しい決断をする勇気と強い意志があったと、市民に思ってもらいたいのです」とプロジェクトの可決を切望しています。
いずれにしても、何かしないと解決はされない過密状態のホノルル道路事情。長年のツケが溜まって、緊急事態となってきてしまった今、早い決断とスタートが望まれます。
※この鉄道プロジェクトのウエブサイトから、2つのビデオがご覧いただけます。映像を見るだけでもとても興味深い内容となっていますので、ぜひご覧ください。
■ビデオ1(18分26秒)英語
ホノルルの代替交通システム 比較検討結果
⇒ なぜ鉄道の開設が正しいことなのかを、わかりやすく説明するビデオ。現在の渋滞に途方に暮れる市民の姿もあって、臨場感たっぷりです。
■ビデオ2(1分45秒)音声なし
アロハタワー前の駅と電車のイメージ(1分45秒)
⇒ 完成予想図のビデオですが、ゆりかもめのような都市型モノレールを採用した形の、駅の様子です。
【関連情報】
ホノルル市大量輸送システム・プロジェクト