まさかの展開に混乱。「これは千載一遇のチャンス……?」
面接はワイキキのど真ん中のオフィス。さて、どうなることやら。 |
9割以上の顧客が日本人という特殊な企業にも関わらず、会社内には適任がいない。そして、今までの応募者の中にも、マーケティング経験者はいても、日本マーケットがわかる候補者はいないと、率直に話してくれました。回りくどい駆け引きが苦手な僕には、とても心地よい会話のテンポです。
「そろそろ今まで会った人たちの中から候補者を絞って、再面談しようかと考えていたところに、あなたのレジメが届いたのよ。」
その後、僕がハワイで暮らすようになったいきさつや、今の状況について話しました。彼女からは、会社についての詳しい説明がありました。どうやら僕が考えていたよりも僕のことについて認知してくれていたらしいこともわかりました。彼女は、僕のレジメを受け取って、すごく驚いたけれど嬉しかった、と言ってくれました。が、同時に、これはとても困ったことになったと、頭を抱える結果にもなったのだそうです。
「私はあなたのボスとは十何年も仕事を通じて知っているし、マーケティングの才能をとても尊敬しているのよ。その彼から、大事なスタッフを奪うようなことをするのは、正直、辛いこと。でも、あなたが本当に本気でうちに来たいと言ってくれるなら、彼と直接話しをしてもいいと思ってるわ。」
(大事なスタッフを奪う……。私のボスと直接話す……。ええと、ということは……? すでにポジションをオファーされてるってこと……?)
最初はあまりの急展開に頭がついていかない私でしたが、2時間後にオフィスを出るときには、早い機会に僕からボスにまず話しをするから、という約束をしていました。ハワイ移住後、4年目にして訪れた本物の転機。こんな機会を逃したら、もう2度と自分には「選択のチャンス」は巡ってこない。それが分かり切った事実だけに、これからくぐり抜けねばならない試練を思って、早くも緊張している自分を感じるのでした。
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