INOCの山田宗弘さん
INOC Corporationの社長・山田宗弘さん(40)。有機栽培について語る山田さんは熱意あふれ、真剣そのもの
ハワイ暮らしを実現した日本人インタビュー、今回は、ハワイで有機野菜を栽培する仕組みづくりに情熱を燃やす山田宗弘さんにお話をうかがいました。

消費者が普通の値段でおいしい有機野菜を手に入れることができ、農家は栄養価が高く、おいしい野菜作りで十分な利益を得られるようなハワイになってほしい、と切に願いながら、地元のNPO団体とともに、日夜、試行錯誤を続けている山田さん。

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おいしい野菜を食べたいという願いをかなえる有機農法に傾倒

現在でこそ、農法やオーガニックに対する知識豊富な山田さんですが、以前は、投資会社の駐在員として、ハワイに滞在をしていたそうです。まったく関係のない業種から突然、有機栽培にどっぷり浸ることになったのは、なぜなのでしょう?

「農業には素人だった義母が、周りの方に影響されて、おいしい野菜作りみたいなことに目覚めたんですね。その様子を傍らで見ていた私も、これはとてもおもしろいし、自分のためにも、人のためにもなることだと意義を感じまして、手伝っているうちに、見事にはまってしまったという感じです。」

山田さんは現在、東京で、野菜などの生ゴミを液体の有機肥料に変換する機械を開発、販売しているNOC(Natural Organic Community)社の関連会社、INOC(International Natural Organic Community)の代表としてハワイに滞在しています。

「有機農法というのは、とかくコストも手間もかかりますので、できあがった野菜の価格がとても高くなってしまいがちなんですね。農家の方々のビジネスとしても成立しないケースがほとんど。私たちのシステムは、そこをまず解消して、持続性のあるビジネスモデルを構築することからスタートしたんです。」

持続するモデルづくりからスタートし、日本で軌道に乗り始めた有機農法

INOCの山田宗弘さん。インタビュー風景
「ハワイでおいしい野菜の自給自足を実現したいんです」と山田さん
まさにロハス(LOHAS)でいうサステイナビリティ(持続可能性)のことで、せっかく身体に良い、おいしいものができたとしても、それが継続できるモデルになっていなければ、長い歴史の中で見たときに、ほんの一瞬の自己満足で終わってしまう。そうではないやり方があるはず……。

彼らのモデルは、一般家庭に生ゴミをボランティアで提供していただき、その回収もボランティアが行い、有機肥料を契約農家に提供するというもの。生ゴミは家庭でバケツなどに貯めて、「ぼかし肥料」と呼ばれる有機発酵をうながす材料を混ぜることである程度、保存もきき、畑に投入後の肥料効果が上がるという特製があるとか。

「ボランティアの方々が週に一度くらい、協力してくださっているご家庭を回って発酵した生ゴミ肥料を回収します。そしてそれを私たちの機械がさらに液化するのです。そのことで、散布しやすくなるし、土への吸収効果がますます高まるというわけです。」

一度、野菜を収穫した土は、必要な栄養分が抜き取られてしまい、そのままで栽培を続けていると、野菜から毒素も出やすくなるそうです。甘みのない苦い野菜などは、そうして作られてしまうものだとか。食べずに捨てられてしまう野菜の生ゴミを、もとの土に返してあげることで、自然のバランスを保ち、栄養素がたっぷり詰まった、おいしい野菜が常に収穫できる、ということなのです。

「まずは有機栽培にふさわしい土作りから始めて、長い年月をかけて、ようやくコミュニティ・レベルではありますが、一般のご家庭においしくて安全な有機野菜をお届けする仕組みができました。農家にもきちんと利益が出るモデルなので、長く続けることができるはずです。」

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