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旅客機のマーキングの研究(2ページ目)

いろんな国のエアラインが乗り入れる各国の主要空港では、駐機している旅客機の機体に描かれたマークやデザインを見比べてみるのも楽しいもの。今回はそんなマーキング(機体ペイント)について研究してみました。

執筆者:秋本 俊二

塗装には機体の劣化を防ぐ“保護膜”の役割も


非塗装スタイルのベアメタルは、アメリカン航空などでも採用してきました。狙いの一つは、あえて塗装しないことによる“軽量化”を実現できること。たとえばボーイング767であれば、非塗装にすることで約90キロぶんの重量が軽減できるといいます。またデータをとってみたところ、塗装作業や塗料の剥離などによる環境への影響も抑制できることがわかりました。

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シルバーのベアメタルでお馴染みのアメリカン航空機

では、実際に旅客機のマーキングにはどれくらいの量の塗料が必要なのでしょうか。大型旅客機では、ボディ全体に塗られている塗料の量は、なんとドラム缶で数本分にも! それだけの重量をカットして、そのぶん使用する燃料の量を減らしたり積載貨物を増やすことで、運航効率を高めることもできます。

しかし、だからといって機体のペイントをすべて止めてしまうべきかというと、そうではありません。上空を飛行中の旅客機は、雨やひょう、空中の塵、紫外線などの“外敵”に常にさらされています。そんな過酷な環境下でも安全に飛行を続けるため、塗装は、機体の劣化を防ぐ“保護膜”の役割を果たしているのです。


≫≫≫ 次のページは、新手法で実現した特別塗装機。
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