帰国便は、JALとカンタス航空の
コードシェア便として運航
ゴールドコーストでの取材を終え、私たちは再びブリスベンからシドニー経由で帰国の途に。帰りのシドニー発関西行きJQ17便は、JALとカンタス航空のコードシェア便として運航されていました。
ブリスベン国際空港のジェットスターカウンター(左)と、高層ホテルが建ち並ぶゴールドコースト中心街 |
そのためか、行きの便に比べて機内はさらに混み合っていました。JALやカンタス便として予約した乗客には、通常の機内サービスが提供される仕組みになっています。個々の顧客情報はすべてシート番号で管理。たとえば「30A」のシートの乗客がJAL便として搭乗していれば、その席には機内食やドリンク、毛布などの無料サービスが提供されます。乗客によってサービスが異なるフライトというのは、世界でも珍しいですね。
「最初のうちは多少苦労もありましたが、もう慣れましたね」と笑って話すのは、日本人クルーの一人としてこの便に乗務していた三浦桃子さんです。「お客さまのリストとシート番号をきちんと確認してサービスしていますので、混乱もありません」
自分の可能性を試す舞台が
ジェットスターにはある
三浦さんは、行きのJQ18便でインタビューした星野さん、山田さんとは同期生です。星野さんと山田さんがどちらも日系エアラインからの転職であるのに対し、三浦さんはユニークな経歴の持ち主。以前は日本や韓国、フィリピン、アメリカで日本語教師をしていました。
「サービスの仕事にすごく興味があったんです。自分の働きによって、相手に与える喜びや満足の大きさが変わる。サービスというのは非常に奥深い分野だと考えていました」と三浦さん。「エアラインというステージなら、お客さまを機内にお迎えしてから目的地に到着するまで、いろいろ自分で創意工夫を生かすこともできます。私はそこに乗務員の仕事の魅力を感じました」
しかしその舞台がLCCでは、フルサービスのキャリアに比べてどうしても制約があるのでは? そのちょっと意地悪な質問に、三浦さんはきっぱりと答えます。
「サービスのやり方がある程度固まっているエアラインより、私はむしろやりがいを感じます。チャレンジするべきことがジェットスターにはいろいろあると思うんです。決まったやり方を先輩に習って、その通りに実践するというのも大切でしょうが、私にはまず自分自身の可能性を試したいという希望がありました」
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